ある大晦日のお蕎麦屋さん



彼らの住む家は2人が並んで歩くと肩が触れてしまう、そんな狭い路地の一角にあります
家の中ではそば粉を引いている松岡さんと、裁縫をしている高山くんの姿がありました
でも高山くん、なかなか針に糸が通らずに困っているようです
高「…はぁ、やっぱり駄目です。松岡さんまた貸りますよ」
松「うん、大事に使ってね」
高山くんは松岡さんの3本に近寄り、その3本を起用に操り針の穴に通しています!
どうやらこの家では、松岡さんの髪の毛を糸通しとして代用しているようです!
高山くんもこれで満足に松岡さんの服をし直しできます

彼らの収入源は隣の壊屋を自分たちで改装し開業したお蕎麦屋さん
松岡さんこだわりの十割り蕎麦が人気なのですか…金銭面の関係で看板もなくまた外装も貧相なので、新規のお客さんは全く来ません
日中は閑古鳥が鳴く日々ですが、夜になると身内が集まりかなり賑やかになります
豊かな暮らしとはいえませんが、笑顔が絶えない日々を過ごしているのです
でも…この店の土地は彼らの土地ではありません
といっても今では誰の土地でもないのです
が…人情とは程遠いこの町の町奉行がなんというか…
そんな不安を心の奥にしまい、今日も2人でお蕎麦屋を営んでいます

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