50.5話  他力本願





墓参りから横丁へ戻るとき鬼太郎はずっと考え事をしていた

 なぜ死人が命を取り戻せたのか
 それが例え一瞬だとしても
 人間の命には
 妖怪でも分からない
 不思議な力が働いているのかも

そんな事を考えていたせいか気付いたら横丁を抜け家の前まで来ていた
「ん?」
妖怪ポストに目をやると白いものが顔を出していた
「手紙?」
「また事件かのう」
差出人を見ると自然と表情が和らいだ
「いいえ父さん 鬼界ヶ島のミウちゃんからみたいです」
「おぉ 久しぶりじゃの」
家にあがり早速手紙を読み始める
「この手紙の内容だと元気そうですね」
「それはよかったわい」
「あ ミウちゃんたち横丁に来るみたいですよ」
「それは楽しみじゃ」
「ん?」
手紙の最後はこんな締め括りであった

 ―ぜひ東京見物をご一緒にお願いします。

「東京…見物かぁ…」

うーんを腕を組み考えてみたものの―

「ん〜また後で考えよう」


結局
見物当日まで無計画のままであった






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