45.5話  気取らない優美





影が延びてくる夕暮れ時

「鬼太郎?」
「ん?やーネコ娘」
「どーしてこんなことに?…あ 買い物に来てたんだ」
「うん ネコ娘は?」
「今バイトが終わったところなの 一緒に帰ろう」


二人は横丁への道のりを歩いていた

ピタリ―

不意に鬼太郎が足を止めた

「まだ買い物あるの?」
「いや もう全部済ませたよ」
「ここお花屋さんだよね お花でも買うの?」
「いいや…行こうか ネコ娘」
「ん?うん」

数分後

ピタリ―

「鬼太郎?」
「あぁ ごめん」

ピタリ―

花屋の前を通り過ぎる時は自然と足を止めていた
「鬼太郎ったらさっきからお花ばっかり見てる」

 蕾ちゃん 綺麗な花を咲かせたら絶対見に行くから―

「鬼太郎なんだか嬉しそうだね」
「そうかな?」
「顔にそう書いてあるわよ」

その後は歩みを止めることなく人間界をあとにした


鬼太郎は夕飯の支度も済ませテーブルに頬杖を突きながら物思いに耽っていた

 もう 目の前で誰かが死ぬのは絶対嫌だ

 僕が守るんだ

「…たろぅ」

 僕が…―

「鬼太郎?」
「…」
「鬼太郎!!」
「ん? うわぁ!?」
気づくと目の前にネコ娘の顔がドアップ
驚きを隠せず後退りをする
「ん〜もう!どこ見てたのよ!あたしの話聞い―」

「ネコ娘もだよ…」

「///なっなにが///」
「?さーねー あっ父さん!」
「今帰ったぞぃ」
「お帰りなさい 今日の夕飯は―」
「ちょ…鬼太郎! 今に見てなさいよ〜女の恐怖味わうんだから」



椿の花言葉

  控えめな優しさ 気取らない優美 






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