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今日は晴天の土曜
いつものように前日に遅くまでTVを見て、今日はは昼までぐっすり休む・・・
予定だったのに、僕はいま机に向かっている
「あの日の早退…なんでばれたんだろう…」
この間の早退がなぜか教授にばれてしまって、論文の課題がたくさんでたんです
英語だらけの文章
こんなもの読めるわけがない
あーせっかくの休みなのに…

僕は頬杖をつきながら、途方に暮れていました
「翻訳…こんにゃく…お味噌味…」
何か便利なものはないかなぁ…
「!」
僕はその時、雷が全身を走ったかのような今年一番の閃きを感じました
「こんな時にパソコンだ!」

隣の研究室の先輩にいい情報を教えて貰ったんだった
ええと…たしか手帳にURLをメモってたはず…
今ではコピペするだけで大部分を翻訳をしてくれるサイトがあるって聞いてたんですよ
自分で電源を入れるのは久しぶりだな〜
「あれ?」
なんだかPCの起動が非常に遅い…壊れた…かな
あ…画面でた
でも、ほっとしたのは束の間だった

「おっいつのまに……!!!」
画面にはいつもの青い壁紙ではなくて…
翼を得た人が飛び交ってる架空の世界が一面に広がっていた
………こんなことできるのは1人しかいない
戸田くんだ…orz
「また勝手に…」
まっ別にいいか…ん?
なんだろう?画面の中に黒い点がある…
アイコンの半分くらいの大きさだな
画面が汚れてるのかな?あれ?拭いても消えない……

カチカチカチカチ…

マウスでクリックしてみたけど、何も起こらないな・・・なんだろうこれ?
しかもよくみると…何かの形にみえる…
この…板から突起2箇所出しだものは…
ん〜画面を見すぎて眉間が痛い
「う〜ん・・・」

ピンポーン!!!

「うわぁっ!?」
あまりにも不意打ちだったので、変な声をあげてしまった
また今日も来たか、でも丁度いいかも
「ねっ戸田くん、ちょっとパソコン見てほしいんだけど」
「何?壊れたの?」
「いや…なんだかね〜ってあれ!?」
「なになに?」
さっきまであったアレが跡形も無くなっている…
「ごめんっなんでもないや」
「ふーん…あっ!そういえばさ、そこに置いてあったCD!インストールしといたけど…よかった?」
「CD?」
あ…この間ポストの奥に入ってたっけ
存在自体すっかり忘れていたよ
「どんなものだったの?」
「いや…僕にもわかんなくてさ〜」
「…;;;」
分からないものを僕のパソコンに入れたのかい?戸田くん…勘弁してよ…
「でもインストールが終わって“NAME”って出たから…きっとゲームソフトのお試し版なんじゃないかな!」
「…ゲーム…お試し版…もしかして戸田くん」
「もちろんさ!」
「………;;」
もう聞かなくても分かるよ
またあの名前を入力したんだね
「でも、おかしいなぁ〜」
「何が?」
「ん?そのゲームらしい機能を起動するアイコンとかファイルとかいくら探しても見つからないんだよ」
「失敗したんじゃないの?」
「そんなことないって!」
そんなことは置いといて
今日はそこの椅子に僕が座らなくてはならないんだった
戸田くんをいつものソファーベッドに移動させて、僕たちは無言で画面に向かい合った


*


おやつの時間まであと少しという時刻
「おっと!今日は化学の講座があったんだっけ」
戸田くんは予備校に向かうため、僕の部屋を勢いよく出て行った
戸田くんは化学の講座だけ一度も休んだことがないくらい化け学が好き
もしかしたら僕よりも勉強して知ってるのかも
その熱意を全教科に振り分ければ…
そんなことを思いながら僕も少し休憩をとることにした


*


「ん・・・んぁ!やばっ!」
仮眠が本眠となって、夜中に目が覚めてしまった
部屋の蛍光灯よりも明るい部分がある…
あ…パソコンつけっぱなしだった
省エネモードっていうがあるって戸田くん言ってたのに…
「あれ?また黒い点あるし!」
画面にはまたアレがあった

カチカチカチカチカチ―

僕は再度睡魔に襲われるまでアレを夢中でクリックし続けていた


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