I’m …



僕は今、とある医療系大学の大学院に所属して夜遅くまで研究の日々を送っています
行きたかったというよりは、山田教授の勧めもあって進学してまった感じなんです
あんな顔で勧められたら(迫られたら)誰も断れませんよ…絶対…
もともと研究自体は好きですから問題はないと思います

…ん〜あれ、そういえば・・・
いや・・・あ…ありました、問題が…

研究をデータとしてまとめるためにパソコン操作が必要不可欠なのですが…
僕は、機械類の操作が大の苦手で…
部屋のパソコンは置いているだけでほこり被っています
でも、このままでは僕にとっても致命的なんです
論文も投稿できないし…
学会にも発表できない…んじゃないかな
そしたら卒業できないとかになったら父さんに顔向けできない…


僕はアナログでいいのになぁ…


というわけで、地道にパソコン操作を勉強し始めました


*


今日は山田教授もいないことだし、こっそりと早帰りを決行です
自分のアパートまで戻ると
あ…
いつもの場所でいつものことが僕を待ってました
「また…こんなにもよく詰め込んだもんだよ」
共用スペースにある個人用のポストには、怪しい広告や宅配ピザなどのチラシで溢れかえってて
本当に毎日毎日…よく配れるなって……って同じのが大量に入ってる!?
僕のポストはごみ箱じゃないよ!
「…あれ?」
全部取り出したと思ってましたが、ポストの奥を覗くとまだ何か入っていますね
手を伸ばして指先で薄い封筒を取り出しました
「なんだ…これ?」
裏表を何度返してみても何も書かれていない真っ白な封筒のソレ
指の感覚から中身は
「CD?かな」
そんな不思議な封筒を手にして自分の部屋へ入りました

「ただいまー」
「おっ今日は早いじゃないか」
「戸田くん…>< またDSやってるのかい?」
「んーまーそんな感じかな」
部屋の同居人・・・というか半居候の浪人生戸田くんです
戸田くんは僕と違ってゲームやパソコンが得意なんですよね
「あーー!また高山くん死んじゃった…もう少しでボスなのに…!!」
「ちょうどいいじゃないか・・・ほら、ご飯作るの手伝ってよ」
「はーい」
戸田くんはゲームの主人公に絶対「高山」って名前をつけるんですよね
オンラインゲームもそう
理由は何も聞いてないので知らないけど

簡単な夕飯を済ませたあと、戸田くんは住んでいる寮へと帰って行きました
「きっとまた来るんだろうな…しっかり予備校行けばいいのに…」
去っていく戸田くんの背中をみてたらつい本音がでてしまいました



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