きみは二番目
コンビニで雑誌と炭酸ジュースとチョコレートを買った。レジに並んでいると、前でお会計をしている男女のカップルが二人で仲良くコンドームを買っているらしい。女は目の下に蝶の鱗粉みたいにラメをくっつけて、男の方は似合わない大きなサングラスをかけている。サングラスをとった顔がどんなに綺麗でも、この男とだけは寝たくない。コンドームは事前に用意していてほしい。二人が店を出れば、レジを打つ店員が私にいらっしゃいませーと言いながら手際良く商品をビニール袋に入れていく。背が高く、とても若い男の店員だった。この人も女をコンドームを買うのに付き合わせたりするのだろうか。炭酸ジュースを買ったことを忘れて、ビニール袋を大きく振りながらマンションへ向かう。あの店員は女にピルを飲ませるかもしれない。そんな感じがした。

「ツナさあん」

マンションに彼はいなかった。私はソファに寝そべると、雑誌を広げてチョコレートをかじる。彼が来る保証はない。だけど来ないと決まったわけじゃない。馬鹿みたいな可能性の為だけに、私はこの部屋で今日一日を費やすのだ。七時間待ったあとのセックスが最高に美しく思えるのは、彼がきちんとコンドームを用意して、それから炭酸でべとべとのソファを一緒に拭いてくれるから。私は彼とコンビニに行ったことなんかないし、ましてピルを飲んだこともない。この上なく大切にされているのだ、私はきっと何時間だって待っていられる。



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