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『…ひ、飛段?

どうして殺さなかったの?』

「理由がなきゃ、殺しちゃいけねェのかよォ…」

『そうじゃないけど…』


















「スミレの手を、離したくなかったんだよ」




『え?』


「だからァ!!

スミレは血で汚れた手と繋いでくれないと思ったんだよォ!!」


…私が?


『なんで?』


「何でっておま…っ

ずっと繋いでるだろ」


ずっと…繋いでる?

-「よっ、と。…ほら」-

小川の橋で飛段が手を貸してくれて…あの時から!?

き、気付かなかったなんて…

自分でもよく分かる程、

かあぁぁぁ、と全身が熱くなるのを感じた。

飛段も私の姿に気づいたのか、

顔を赤く染めて、今まで繋がっていた手をぱっ、とほどいた。


…ァ…離れちゃった…


地面ばかりを見つめて歩く。

道が、草木で狭くなる。

飛段を近づく形になった。
 
こつ、と飛段の指輪と私の指輪がぶつかった。

その次に、指が触れ合って。

でも、何だか恥ずかしくて。

また手を勢い良くお互い離した。

『……飛、段……』

…あ……

飛段の指が、私と絡み合った。

今まで恥ずかしくて見てなかった手が、飛段の指と繋がっているのを見て、

また、体温が上がった。

「そ、そんなに見んなよォ…」

飛段は私に体を近づけて、手を隠した。

私は飛段の顔を見ようとしたが、飛段は私に顔を背け、顔を隠していた。

そんなことしても、耳が赤くなってて…

照れてるってこと位分かるのに。






『なんか…
いつもの飛段じゃないみたい…』



強引じゃない、ていうか……



「好きな女の前で、いつもどおりになんて出来るかよ!」


あ゛ーくそ…っ、て言って飛段は頭を掻き始めた。

『…今、告白…?』

「あ゛ー!そうだよォっ!!」

照れ隠しなのか、飛段は叫んだ。


好きな…女…


ヤバい…
自然と顔がにやけてしまう…


「…で、お前は?

スミレは、どーなんだよォ」


『私も…です。

好きな男の前で、いつもどおりになんて出来ない…

飛段が……好き、です』


飛段の瞳は、しっかりと私を捕らえていた。


「そ、か。

そっか…ははっ!!そうかァ!!」


飛段はくしゃっ、と笑った。


「俺も、スミレが大好きだぜェ!!」





















キルタンサス
  〜はずかしがり〜



「あ…あのさァ」

『ん?』

「…ちょっと寄り道しよーぜ」

『……うん///』



End.



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