page2
『…ひ、飛段?
どうして殺さなかったの?』
「理由がなきゃ、殺しちゃいけねェのかよォ…」
『そうじゃないけど…』
「スミレの手を、離したくなかったんだよ」
『え?』
「だからァ!!
スミレは血で汚れた手と繋いでくれないと思ったんだよォ!!」
…私が?
『なんで?』
「何でっておま…っ
ずっと繋いでるだろ」
ずっと…繋いでる?
-「よっ、と。…ほら」-
小川の橋で飛段が手を貸してくれて…あの時から!?
き、気付かなかったなんて…
自分でもよく分かる程、
かあぁぁぁ、と全身が熱くなるのを感じた。
飛段も私の姿に気づいたのか、
顔を赤く染めて、今まで繋がっていた手をぱっ、とほどいた。
…ァ…離れちゃった…
地面ばかりを見つめて歩く。
道が、草木で狭くなる。
飛段を近づく形になった。
こつ、と飛段の指輪と私の指輪がぶつかった。
その次に、指が触れ合って。
でも、何だか恥ずかしくて。
また手を勢い良くお互い離した。
『……飛、段……』
…あ……
飛段の指が、私と絡み合った。
今まで恥ずかしくて見てなかった手が、飛段の指と繋がっているのを見て、
また、体温が上がった。
「そ、そんなに見んなよォ…」
飛段は私に体を近づけて、手を隠した。
私は飛段の顔を見ようとしたが、飛段は私に顔を背け、顔を隠していた。
そんなことしても、耳が赤くなってて…
照れてるってこと位分かるのに。
『なんか…
いつもの飛段じゃないみたい…』
強引じゃない、ていうか……
「好きな女の前で、いつもどおりになんて出来るかよ!」
あ゛ーくそ…っ、て言って飛段は頭を掻き始めた。
『…今、告白…?』
「あ゛ー!そうだよォっ!!」
照れ隠しなのか、飛段は叫んだ。
好きな…女…
ヤバい…
自然と顔がにやけてしまう…
「…で、お前は?
スミレは、どーなんだよォ」
『私も…です。
好きな男の前で、いつもどおりになんて出来ない…
飛段が……好き、です』
飛段の瞳は、しっかりと私を捕らえていた。
「そ、か。
そっか…ははっ!!そうかァ!!」
飛段はくしゃっ、と笑った。
「俺も、スミレが大好きだぜェ!!」
キルタンサス
〜はずかしがり〜「あ…あのさァ」
『ん?』
「…ちょっと寄り道しよーぜ」
『……うん///』
End.
[ 22/22 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]