社内恋愛はつらいです

『明日は任務だから、早く寝なきゃ』
スミレは風呂から上がって、まっすぐ自室へと向かう。

…そういえば最近、トビと一緒に過ごせてないなぁ。
スミレは恋人としばらく会えずに寂しい思いをしていたが、こればかりは誰のせいでもないので文句は言えない。
ため息をつきながらベッドに入る。
と。
「スミレせんぱーいっ」
…トビがいた。

『なっ…
「しーっ。大きい声出さないでくださいよぉ」
トビは自分の唇があると思われるところに人差し指を当ててスミレに静かにするよう示す。

『…何してんのよ』
「スミレさんを食べに来ちゃいました。えへ」
トビは悪びれる様子もなく、へらへらしている。
『だからって人のベッドに潜りこんでるなんて』
スミレはわざと、呆れたようにトビを見る。

「だけどー…」
『やっ…』
トビはスミレを組み敷く。
「スミレもオレを待っていただろう?」
トビは仮面を外して低い声で囁く。
『ちょ…ちょっと待ってよっ…』
スミレは彼の胸板を押して抵抗しようとする。

「駄目だ…お前、オレの誕生日、忘れていただろう」
彼はスミレが戸惑うのも無視して彼女の頬を撫でる。
『誕生日のことは…ごめんなさい』
スミレは彼を見上げて謝る。
その可愛らしさに彼の理性は飛んだ。

「悪いって思ってるなら…今くらいオレのワガママ聞いてくれるよな?」
『んっ…』
彼はスミレを煽るように、わざとクチュクチュといやらしい音を立ててキスをする。
口付けながら、スミレと手を重ねて指を絡め合う。

「スミレ…」
彼の手はスミレの服の下に滑り込む。
冷たい手が肌に触れて、スミレは体をこわばらせる。
『もっと…キス…』
早くも言葉がうまく発せられないほどスミレは快感に乱れ始めていたが、彼女の言葉を拾って、彼はキスを与える。
その間も彼の大きな手はスミレの柔らかい膨らみを愛撫する。
『はぁっ…』


―バンッ!!
突然、勢いよく部屋のドアが開いた。
「コラァァ!トビー!!…って、てめぇ何してんだ!!!?」
乱れた姿のスミレの上にはトビが乗っている。

「で、デイダラせんぱーい!?」
いつの間にか彼は仮面を付け直していた。
「スミレの部屋にいると思ったら…こういうことか、うん?」
理由は分からないが、デイダラがトビに対して
怒っていることは間違いない。

「ひいいいいっ!スミレさん、なんとかしてくださいよぉ」
トビはスミレの後ろに隠れる。

『あ、あの…』
「大丈夫だスミレ、こんな変態ヤローはオイラが片付けてやるからな、うん」
デイダラの両手には、起爆粘土が山盛りになっている。

「ちょ…いくらC1って言ってもそんなにたくさん…
「うるせぇ!…喝!!」
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
『ひいいいいっ!!』

スミレの上からトビは吹き飛んでいたが、スミレの部屋も吹き飛んでいた。
『デイダラ…』
何で邪魔するのよとは言えず。

「ご、ごめんよ、スミレ!部屋はなんとか直すから許してくれよぉ」
デイダラはスミレを上目使いで見つめる。
『あ、うん…』
…そういうことではないんだけど。
なんて、デイダラが知る由もなく。
「いてて…何するんですか、デイダラさぁん!」

しばらくは二人で過ごせる時間はお預けかも…。
スミレは心の中で涙を流したとか…。


END

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