Who's to blame?

―ピピピピピピ

目覚ましが鳴っている。
『んん…』
スミレは止めようとして布団から腕を伸ばす。
冬の冷たい空気が腕を引っ込めさせる。
しかしもう9時だ。…今日は任務があるはず。
やっとのことでスミレは目覚ましを止めたが、布団から出るのは至難の業だ。
『あともう少しだけ…』
猫のように体を丸めて布団にもぐる。

―バンッ
「よぉスミレ!起きろよー」
スミレの部屋のドアを開けて大声を出したのは、彼氏の飛段だった。
「おいおい、まだ寝てんのかァ?」
飛段はスミレの布団をはぎ取った。
『やだっ!!寒い寒い!!』
スミレは冬だというのにキャミソールと下着だけで布団にいた。
「お前バカか?今冬だぜェ?…ゲハハハハッ!な、なんだよその髪ィ!」
『え?』
スミレは鏡を見る。
長い髪が、ありとあらゆる方向にはねていた。
なぜこうなったのか?答えは簡単だった。
『これ、飛段のせいだから!』
「ハァー?」


―昨日の夜
スミレは風呂に入った後、髪を乾かそうと、そのまま自室へ戻った。
「スミレちゃーん」
そこに飛段登場。
こうなるとろくなことにならない。
『やめてよっ…髪乾かさなきゃダメだから…』
「放っときゃ乾くだろ…」『やっ…』
そう、飛段のせいでパジャマも着ず、
髪も乾かせないまま寝てしまったのである。


『飛段のバカバカっ!』
「よく言うぜ…あんなイイ声で啼いてたヤツがよォ」
『う、うるさい変態!…わたし今日任務だから邪魔しないで』
「お前、今日休みだけど?」
『え?』
「さっきリーダーがそう言ってたぜ?…ということは、オレとスミレ、ふたりきりだな!ゲハハハハッ!」
うそ―っ!わたしめっちゃラッキーだっ!
『じゃあ…買い物行こ?』「なんでだよ」
『いーじゃん、たまにしか行けないんだからっ…』
「ハァー訳分かんねー…けど、まぁいいぜ」
飛段にしては物分りいい!
『やったあ!…じゃ、着替えるから部屋から出て』
「嫌だ。」
…よくなかった。
『すぐだから、お願い』
「寒いから出たくない」
…いやいやいやいや。
『アンタ上半身裸じゃない!そっちのほうが訳分かんないから』
「うっせー!とにかくオレは出ねェからな」
飛段はバカのくせに、いやバカだからこそ変なところで頑固になる。
『分かった…けど、絶対こっち見ないでよ?』
「へーへー」
「早くしろよ?」
『分かってる』
スミレは少し迷って服を選ぶと、
ベッドの上に置いた。
『寒っ…』
寒さに震えながらキャミソールを脱ぐ。
そのとき、背中に温かさを感じた。
『…ちょっと飛段…』
飛段はスミレを後ろから抱きしめる。
『何してんの…こっち見ないでって言ったのに…』
「見ないでって言われて見ない男がどこにいるんだよ?スミレちゃんよォ…」
…それもそうだった。しかも飛段のことだ。
わたしが釘を刺したところで、言うことを聞く訳なかったのに。
『やめて…予定遅くなっちゃうじゃない…』
「止めねーよ…」
飛段が肩に頭を預けているせいで、スミレの耳に飛段の吐息がかかる。
「ホントに止めて欲しーのかァ?」
『あっ』
後ろから伸びた飛段の手が、スミレの胸を掴む。
『やっ…』
飛段は指先で胸の突起を刺激する。
スミレのカラダはすぐに反応する。
「もう感じてんじゃねーか。…続きはどうすんだァ?」
飛段は意地悪げに聞くと、愛撫を止めた。
『やだぁ…飛段、止めないでっ…』
すでに感じ始めていたスミレは、呼吸を少し荒くしている。
「そうそう。素直なスミレ、大好きだぜ…」
『ひゃっ』
クククと笑うと、飛段はスミレの耳を甘噛みする。
飛段はスミレを抱えると、ベッドへ寝かせる。
『ん…』
飛段は飢えたようにスミレの唇を貪る。
舌を絡めて、スミレの口内を動きまわる。
『ひだっ…』
スミレは飛段の首に腕をまわす。
互いにひたすら唇を求めると、飛段は再びスミレの胸を愛撫し始める。
飛段の手から柔らかい胸がこぼれる。
『あっ…』
飛段は胸にキスを落とし、赤い痕を付ける。
『飛段っ…』
スミレは頬を赤らめて飛段の頭を抱く。
後ろにキレイに流された銀色の髪が輝いている。
『ああんっ』
飛段はスミレの胸の突起を舐めて甘噛みする。
「もっと声だせよ…他に誰もいねーんだから…」
そう言うと飛段はスミレの下着の上から蕾を触る。
『あぁっ…だめぇ』
「嘘つけ…」
飛段は下着を脱がせると、スミレの中に指を入れて動かす。
『う、動かしちゃ…』
スミレの下半身からはクチュクチュと
いやらしい音が聞こえてきた。
スミレの蕾はヒクヒクと痙攣している。
スミレの歪んだ表情を見て、飛段は自身が反応しているのを感じた。
「もうこんな濡れてるぜ…」
飛段は指を抜くと、スミレに見えるように指にまとわりつく蜜を舐める。
それをスミレは虚ろな目で見ている。
「…そろそろか?」
飛段がズボンを脱ぐと、自身が大きくなって主張していた。
飛段はそれをスミレの蕾に押し当てる。
「…欲しいか?」
すでに1度小さく達したスミレは肩で息をしながら首を縦に振る。
それを見た飛段は、自身を少しだけ挿入すると、すぐ抜いた。
スミレの気持ちは分かっているが、焦らしたくてたまらなくなった。
『飛段…意地悪、しないでっ…』
スミレの目から涙が1粒こぼれ落ちる。
「オレ、ちゃんとお前の言葉で聞きてーんだけど」
『ばかぁ…』
スミレはオレの背中にわざと爪を立てる。
『飛段…ちょうだい』
「ん…」
飛段はスミレに軽くキスすると、一気に貫いた。
『はあんっ…』
スミレの口から甘い声が漏れる。
「…っ」
何度かカラダを重ねてきたが、いつもスミレの中に入るだけで達しそうになる。少し余裕が戻ったところで、飛段は自身を動かし始めた。
飛段が奥を突く度にスミレの胸は激しく揺れる。
スミレは快感に耐えるように飛段の背中に手をまわして目を閉じている。
『飛段っ…ああんっ…もっと』
飛段は腰を早める。
『ああっ…わた…イッちゃうっ…』
スミレは飛段の背中に爪を立てると、腰を痙攣させて達した。
「くっ…オレも…」
二人とも息を切らしてそのままの体勢で目を閉じている。
「スミレ…愛してる」
飛段は優しくスミレの髪を撫で、頬を撫でる。
『わたしも…』
スミレは答えて飛段に口付けした。
「オレの方が何倍もお前のこと、愛してんぜェ」
飛段はスミレの胸に顔を埋める。
『ひゃあっ』
「バーカ、何にもしてねーだろ……あ」
飛段は急に何か思い出したような顔をしている。
『どうかした?』
「…お前、買い物行くんじゃなかったのかァ?」
『…あ』
快楽のせいで完全に忘れていた。
『バカバカ!変態!アンタがあんなことするから…もう昼じゃないっ!』
「ハァー!?バカはてめーだろー!アンアン啼いてたくせに何言ってんだ!てめーのせいだろーが!」
『うるさいっ!飛段のせいだから!』
「あーあ。そんなこというから…今日はどこにも行かせねーからな」
『ちょっ…あっ』
結局スミレは買い物にも行けず、この後2回ほど飛段の餌食になってしまったらしい…。

END

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