nobody can buy my love

いつものように、スミレは角都の部屋でくつろいでいた。

「スミレ…自室があるのになぜ、いつもここにいるんだ?」
『んー、なんとなく。…角都と一緒にいたいし』
ベッドに座ったスミレは、爪をいじりながら答える。
「そうか」
角都のほうも、いつものように金を数えていた。

『角都はさぁ…』
スミレが口を開く。
「…何だ?」
『どうしていつもお金のことばかり考えてるの?』

金ばかり、か。本当はお前のことを一番に考えているんだがな。
角都は少し、心外だという表情をしたが、金から目を逸らさず答える。

「結局世の中、金がすべてだからだ。どれだけ心が満たされようと、金がなければ何もできん」

角都の答えにスミレは寂しそうな顔をした。
『それはそうかもしれないけど…わたしは、角都がいてくれたら生きていけるよ?』
スミレは真っ直ぐな目で角都を見つめる。
角都は照れたように目を逸らし、呆れたように言った。

「浅はかな…お前はまだ子供だな」
『わたし…子供じゃないもん』
「……!」

スミレが角都の上に馬乗りになって口布を外すと、角都の手から札が舞う。
角都は唇に、スミレの柔らかい唇を感じた。
「…だから子供だと言うのだ」
スミレの髪が角都の頬にかかり、甘い香りが理性を失わせようとする。
『じゃあ…大人にしてよ』
次の瞬間、スミレの体が下になった。


『んっ…はぁっ』
スミレに深く口付けしながら、角都の両手は器用にスミレの服を脱がせていく。
子供だと散々言ったものの、スミレの体は子供のそれではなかった。
角都は唇をスミレの首や胸元に這わせる。

『角都ぅ…』
「どうした?」
スミレの下着を外しながら聞く。
『…呼んでみただけ』
スミレは微笑んだ。
「そうか」
この女は、いつの間にか自分の弱点になっていた。

『あっ…』
角都が胸の突起に触れたとき、スミレの口からは甘い声が漏れた。
すると角都は執拗に突起を攻める。
スミレは口に手を当てて、声を出さないように堪えているようだった。
「オレに…声を聴かせてくれ」
角都の手がスミレの手を外す。
角都は体を起こしてスミレの脚を広げると、下着の上から蕾に触れる。

『やっ…角都…』
スミレは恥らって脚を閉じようとするが、角都がそれを許さない。
そのまま、スミレの下着を脱がせる。
『恥ずかしいっ…』
「恥ずかしがる必要はない」
角都は顔をスミレの蕾に近づけ、舌で愛撫する。

『んあっ…』
スミレは快感に体を捩る。蕾はすでに蜜で濡れていた。
角都は蜜を舌で優しく舐めとっていく。
蕾の突起に舌が触れたとき、スミレは角都の髪を掴んで軽く達した。
「もうイッたのか?」
『も…言わないでっ…』
顔を赤く染めたスミレに角都はキスを落とした。

『角都…挿れて』
スミレは角都に甘い声で訴える。
角都は自身を取り出すと、スミレを貫いた。
『ああっ』
スミレは角都の腕を掴んで喘ぐ。
角都が腰を動かすと、その都度スミレは激しく啼いた。
角都はスミレを焦らすように、律動を止めてはまた動かすということを繰り返している。
『かく…ダメぇ』
「くっ…」
スミレが達したのと同時に、角都はスミレの中に欲を吐き出した。



情事の後、2人は横になっていた。

『おじいちゃんのくせに、よくやるよ…』
「何だと…?」
『なんでもないー!…角都、大好きよ』
「…フン」
『わたしね、どれだけ目の前にお金積まれても、絶対角都のこと離さないよ』
「何のことだ」
『…わたしの気持ちは、お金じゃ買えないってこと!』
スミレは布団に潜って火照った顔を隠した。

「…まだ子供だな」
角都は目を閉じた。


END

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