カナリアが鳴いた
▼週末の予定
 うとうとと船を漕いでいるジャブラをジッと見つめる。きっと起きていたら、穴が開くじゃねぇか!と怒られそうだ。
 ジャブラがワシの部屋に来て、ソファーで寝ているのには大した理由はない。ただ、暇つぶしに来ただけなのだ。理由がなく遊びに来るっていうのも、悪くない。
 相当疲れているのか、それともただ眠いだけなのか、この部屋に来てからずっとこの調子だ。ジャブラが何の任務に就いていたのか知らないが、ここまで酷い状態なのだから、きっと体力も精神力も使う任務だったのだろう。人には向き不向きというのがあるのだから、長官はもう少し、それを見極めるべきだ。


「ジャブラ〜」
「……んぁ?」
「寝るならベッドで寝るべきじゃ」
「おう…」
「大丈夫か?」
「フクロウと二人で任務でよう…あいつ、また港で任務内容喋りやがって…」
「ああ、そりゃあ疲れるのう」
「あいつの口のチャックってなんのためについてんだ…」


 肘置きに肘を置いて、瞼を瞑りながらそう言った。口元は笑っているので、怒っているわけではなさそうだ。これが年上の余裕というものなのか。なんだか、悔しくなってきた。


「なぁなぁ」
「ん?」
「週末、なんか予定あるんか」
「いや、休みだ」
「じゃあ、じゃあ!ワシと出かけよう!」
「…遠出は勘弁してくれよ?」
「近場でもいい!だから行こう」
「はは、いいぜ」


 傷のある方の眉を上げて、にやりと笑った。ジャブラと出かけるのはこれが初めてではないが、嬉しくてたまらない。やっと独り占めできる、そう思って、どこに行こうか考え始めた。ジャブラは、寝息を立てている。



2014/07/08 02:53  
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