気配を無くして近づき、輪っかのピアスを思い切り引っ張り自分の方へと振り向かせて、薄い唇に自分のふくよかな唇を押し付けた。
目を見開き殴ろうとしてきたのでピアスから手を離して後ろに飛び退いたら、顔を真っ赤にさせて名前を叫ばれた。


「てめぇ!」
「なんだ」
「き、キスなんてしやがって!」
「いいじゃねぇか、べつに」
「いいわけあるかぁ!」


屈んでから地を蹴って思い切り俺の方へと寄ってきたのでそれを避けながら走る。
怒りながら俺を追いかけてくるジャブラがおかしくて、笑いながら走っていたらすれ違った奴らに変な顔をされた。
そんなことが気にならないくらい、この状況が楽しくて仕方がない。


「ルッチィ!」
「ふ、ジャブラ、もう一度してやろうか」
「うるせええええ」



2014/05/15 22:42

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