「高杉さんって人気なんですね」

 ういは高校三年生へと進級が決まり、のんびりと春休みを過ごしていた。まだ実家に帰りたがらないあたり問題は家庭にあるみたいだ。ういは大学進学と同時に一人暮らしを始めたいと言っていて、それまで迷惑でなければ高杉の家に最後までいたいとお願いをしていた。高杉も家事を手伝ってくれるういの存在はありがたく断る理由はなかったので、この共同生活は何事もなく続いている。

「ああ、まぁな」

 否定しないのも嫌味に感じないくらい高杉の校内での人気は凄まじいのだ。

「もしかして私って高杉さんのファンにバレたら殺されちゃいます?」
「いや」

 高杉の経験上、自分と近いところにいる女の人は橋渡しに利用されるだけなのだ。大人になった今でもそういうのは無くならないのだから、ういが俺の家にいるとバレたら話しが出来るように何とかしてくれと言う生徒が後を絶たない事は簡単に予想が着く。それをういに説明をすれば、ういは「それは嫌なの?」と高杉に聞いた。

「嫌というか。人伝にしかそういうのを頼めないヤツには興味がねぇ」

 ういは「なるほどねぇ」と頷いて、ういは手元の携帯へと視線を戻した。


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