俯いてどこか辛そうで。高杉のういへの第一印象はそれだ。高校二年生、十七の女の子が男の一人暮らしの家にお世話になろうと決めたのだ。例え自分の通っている高校の養護教諭の家だとしても多少なりとも不安はあるのではないか。でも、それを上回る何かがあるのだろうと高杉はういへ何も聞くことはせずに、初日は淡々と家の説明を聞いていたういはすぐに自分の部屋へと籠ってしまった。
 何とも思わないと言えば嘘にはなるが、こういった子どもへの対応は普通の人よりかは慣れている方だ。付かず離れず見守る。それが一番なのだ。
 先週学校に行けなかったらしいが、月曜になれば自分で準備をして何事もなく学校へと来ていた。業務の都合上高杉が先に家を出たが、学校巡回という名目でういのクラスを覗けばそこには普通に席に座っているういがいた。教室の後ろから高杉が覗けば気配に気づいたういは気まずそうに目を逸らした。
 学校に来れたのなら、一先ず安心だと胸をなで下ろしたのも束の間。家に帰れば一言も会話を交わさないまま。
 何をどうしたらゴールなのかわからない共同生活が幕を開けてしまった。


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