にゃー
部屋に戻ると愛猫シルバがすり寄ってきた。

「お前可愛すぎるだろっ…!」

もう俺めろめろなんですけど。
シルバを連れて帰ってからすぐは、なかなかなついてくれなくて俺にも爪立ててきたりしてたけど最近は慣れたのか、たまにこんな風にすり寄ってきたりするようになった。



「あーやべえ…癒される」
「れんれん、そういえばまだこいつを紹介してなかったな」

カインのほうを振り向くと、限りなく金に近い毛色の猫を抱えていた。

「ちょ、かわいいな…」
どうやらカインの飼っている猫らしい。

「こいつは、昨日出かけていたからな。紹介するタイミングがなかった」

「名前はなんてーの?」
「ロールだ」

「可愛い名前だなあ…ロールも美人猫だな」

「フランス語で金とか貴重なものの事だ。母親が付けた」
「へー…じゃあ俺のシルバと似たようなもんだな!シルバーだからシルバだし」


「因みに雄猫だ。シルバも雄猫だから、残念だったな」
「まじか。まあ、でも子供増えても育てられるかわかんないし逆に良かったかもな」

ちら、と二匹の猫を見ながらそう答えた。
どうやらロールは順応性が高いらしく、初対面のシルバの前でも全く動じることなく、ごろんと寝転がっていた。

マイペースなとこは主人(カイン)に似てるよな


「あーなんか俺も眠たくなってきた」
猫たちがうとうとしている様子を見て、こっちまでうとうとしてくる。

「寝ててもいいぞ、夕飯の時間になったら起こしてやる」
「まじ?じゃ、頼む……なんかもうおれ、もうすげーねむたい…」


ベッドへとダイブして、カインの言葉に安心したのか、それともただ疲れていたのかはわからないが、俺は急速に眠りへ落ちていった。