「おー!オリバンダーの店!」
「入るぞ」

カランカラン

店に入ると見るからにたくさんの杖の箱がズラリ。

「たくさん、あるな」
「オリバンダー杖店は紀元前382年創業だからな。俺の家系も代々この店で購入している」
「すげーな(紀元前とかもう未知だな)」



「おお、これはこれはジュリアスさん!今日は如何なご用で?」
なんだかんだ喋っているうちに裏の方からじいさんが出てきていた。

「しばらくだな、オリバンダー。今日は俺じゃなくてこの編入生の杖を購入しにきたんだ」
「ほう…ホグワーツに編入生とは…珍しい!」

オリバンダーは俺をじっと見つめてきた。このじいさんアルバスと同じ部類だよな…。

「杖腕はどちらかね?」
「あー、どっちでもいいけど…あえていうなら右かな」
「わかりました。…これはいかがかな?」

オリバンダーは一本の杖を差し出した。それを軽く振ってみる。すると、オリバンダーが軽く吹っ飛んだ。

「わ!すいません!!」

「…ごほっ、いえいえお気になさらず…これは駄目じゃ…では」

これはいかがかな?とオリバンダーはヨロヨロになりながらも杖を差し出した。

なんか申し訳ないな…と思いつつ、杖をふると今度は置いてあった時計の針が逆にぐるぐる回って、しまいには破裂した。

「………いや、ほんと申し訳ない」
「いえいえ…。では…」

ニコニコと笑っているオリバンダー。このじいさん、実はどMなんじゃないかと思う。とか思いながらも次から次へと色々な杖を試したがどれも駄目だった。




「れんれんもなかなか大変だな」
「カインはすぐ決まったのかよ?」
「俺は一発だ」
「一発って逆にすげーな」

「ジュリアスさんは特別な家系ですからなあ」
ははは、と笑いながら箱を持ってオリバンダーが出てきた。
「特別?」
「はい。ジュリアス家の方は代々受け継がれている杖が何本かありまして、その中からお選びになるのですよ」
「へー、てかカインって凄い家の子息なんだな」
「別に。そんなことはない」

あれ?地雷踏んだ?いっそうカインが無表情になった気がする…