葛藤
風が強い夜だった。
自分の想いを吐き出して、俺はひどく後悔していた。
なぜだ、せっかく、ずっと黙っていたのに!
虎丸は何も答えない。大きな目を何度も瞬いてこちらを見ている。
嗚呼、できるなら時間を巻き戻してやりたい。
キョトンとしていた虎丸は、予想通りに
「俺もです!」
と笑った。
最悪だった。
***
「最悪だなんて」
ほんとはそんな風に思ってないくせに。
吹雪が笑う。こいつにはわからないのだ、俺の葛藤なんて。
それをそのまま言ってやったら「豪炎寺くんは贅沢だよね」と、ただそれだけ言われた。
その真意を理解して、俺は何も言えなくなった。
----------
TwitterでRTされてきた「風が強い夜だった。」からホモ妄想する企画(?)に則って書いたもの。
続きは思いつきませんでした……。
←