ポニーテールと僕ら | ナノ


ニーテールと僕ら




「ポニーテールっていいよね」

休憩中、隣に座る基山が突然口を開いた。

「いきなりどうしたんだよヒロト……?」
「ん?円堂くんならわかってくれると思ったんだけど」

基山は、少し離れたところで壁山と話している風丸に視線を送った。
そういうことかと合点のいった円堂は、目を閉じて腕を組んだ。

「確かに……いいよな、ポニーテール」
「だよね。こっち振り向く時にパッて揺れるのがかわいいよね」
「うん、走ってる時に靡いてるのもかわいいと思う」
「うんうん」
「……でも俺はポニーテールが好きなわけじゃなくて……」

風丸だから、好きなんだよな。

円堂は真っ直ぐ風丸を見詰めた。
やっぱりこの眼が好きだなぁと基山は思う。

「ヒロトだってそうだろ?」
「え?」
「ポニーテールだから、緑川のことが好きなわけじゃないだろ?」

円堂が真面目な顔で尋ねてくるので、基山は少し笑いながらも「もちろん」と答えた。

「むしろ緑川がポニーテールだから、ポニーテールが良いと思うようになったかな」
「そっか」
「うん。あ、あとね、一緒に寝るときは髪をほどいてくれるのも好きかな」
「あ!それスッゲーわかる!!」
「やっぱり??」
「おぅ!いつもと雰囲気が違って、スッゲードキドキする!!」
「同じだ!よかった、円堂くんがわかってくれて!」
「あったりまえだろー!!」
「…………」
「…………」
「…………」
「……なんの話してるんだよ、俺達」

ほんのりと頬を赤くしながら円堂は「サッカーやろうぜ!」と叫んでグラウンドへと走り出した。すかさず「円堂!」と風丸が駆け寄っている。円堂の顔が更に赤くなった気がした。
その様子を微笑ましく思いながら、基山は緑川へと声をかけた。

「ねえ、緑川」
「?なに、ヒロト??」
「今晩は俺の部屋においでよ」

一緒に寝よう、と提案すると、緑川は顔を真っ赤にして大慌てで辺りを見回した。

「い……っいきなり何を……!」
「ダメかな?」
「れ、練習中だよヒロト……」

それでもしっかりと頷いて、緑川は更に顔を真っ赤にしている。
基山はそんな緑川を愛しく思いながら、

「好きだよ、緑川」

と、耳打ちした。
緑川は今度こそ耐えられないと思ったのか、逃げるように走っていってしまった。

「ふふっ……ほんとに照れ屋さんだな、緑川は」

そうひとりごちて、基山は揺れるポニーテールを追いかけていった。







(――……そういえば円堂、さっきヒロトと何を話していたんだ??)
(な、内緒……)
(え?)
(内緒ったら内緒!!!)
(え、円堂????)




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そういえば風丸も緑川もポニーテールだなって。
そして今気付いたけど鬼道さんのアレも一応ポニーテーr(ry