人形アソビ(目箱) | ナノ
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 水色の髪の毛をした女の子は過負荷(マイナス)寄りなのか、と考えた私はいや失礼だと思い直し考えていた。どことなく同じ気がするけれど。


「でさ、おねーさんはこの学園に何しに来たのさ」


 敵対心がありありと浮かべられる。でも気のせいだ、と思い私は彼女の質問に答えることとした。


「おそらく転入手続きかなあ。あ、そう私あなたに用があるの。ここに来たの初めてだから、どこが正門なのか教えてくれませんか?」


 彼女はそーですか、と敵対心をあっさりと消して変な擬音を響かせながら私に正門を教えてくれた。いい子だ。普通は私なんかに関わりたくないはずなのに、ね。そして私は正門の位置を確認しつつ、適当に歩き始める。


「箱庭学園かあ。まだ学校に行けないのか…禊くんと学校生活送ってみたいな」


ふと、上を見上げ呟くと茶色の立派な建物が少し遠くに見えた。


「なんだろ…おっきいな…」


ゆっくりと私はその立派な建物へと近づいていった。


『あ、遊心ちゃん、こんなとこにいたんだ。偶然だね!折角だし、一緒に挨拶しに行こうよ!』


 てくてくと、学校指定(ちなみに城砦女学園の指定靴。怒江ちゃんからかりた)のローファーをはきながら、茶色の建物へ向かっていたら、逆に禊くんがそっちのほうから出てきて、私にいつもの笑顔で上記の言葉を発した。私に拒否権なんてものはなかったので、笑いながらわかった、と返事をした。
 校舎内を歩き、理事長室へ向かうと何だか奇抜なおじいちゃんがいた。あごひげだけ妙に長い…。禊くんはその人と挨拶しつつ私は少し広い部屋を歩き回る。トロフィーやら、盾やら、なんだか名前すら聞いたことのない競技のトロフィーがあり、誰がやってるんだ、この競技。むしろこんな競技あるのか!と思うくらいの数が理事長室にひっそりと飾ってあった。


「大きく飾ればいいのにもったいない」


 そう呟いたのと同時に理事長さん?が禊くんに声を上げた。


「…馬鹿な!今なんて言ったのですか、球磨川くん!」


理事長さん?は声をもう一回声を荒あげ、禊くんを問い詰めた声を響かせた。

『あはっ、やだなあ。別に二度言うほどのことじゃないですよ。不知火理事長』

 ああ、理事長さんなのか、ということを今更ながら思いつつ、禊くんは本当変わってないやと笑顔を浮かべる。そしてすぅ、と息を吸って、彼の発言を待った。


『この学園に巣喰う十三組(アブノーマル)の生徒を一人残さず抹殺します。僕はそのためにこの箱庭(フラスコ)に転校してきました』


 禊くんは笑みを浮かべ、右手の人差し指をぴんと顔の横に寄せ、禊くんは止めの一言を理事長さんに発する。


『だってあいつら、気持ち悪いでしょう?』


 自分は間違っていない、そう言い切る禊くん。さすがだよ。


『遊心ちゃんも、そう思うよね?』


ぼうと二人の会話を聞いていて、話が振られるとは思っていなかった私は、一呼吸置いて禊くんに返事を返した。


「気持ち悪い、というか一緒にいたくない気がします」


 出来ないことを簡単にやることが出来る。そんなのほぼのチートだ。しかしうらやましいか、と問われれば少しだけうらやましい。けれど、出来ないことを容易に出来る人となんて一緒になんていたくない。そう私は思うのだった。







120227(120422)
遅くなりすみません






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