判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

「喜界島、なんだこいつ」

種子島先輩、私名前言いましたが…はて、何かしたかな。

「いやー気になったので呼んでみた、」
「そうか?」

気になってくれたのか喜界島さん。優しいなこの人。

「では、喜界島さん私は失礼しますね。あと先輩方も気をつけないと多分体壊しますよ?喜界島さんほど強靭な肺はなさそうですし。まあ屋久島先輩は持久力や俊敏凄そうですが、ついでに種子島先輩は持久力があまりなさそうですね。まあ多分まだ付けなくてもいいと思いますよ。時期に合わせてつけてください。それでは喜界島さんまた学校で」

私は軽く会釈をしプールから出た。
楽しい人を見つけた。あの3人、楽しい。どうやったら伸びるかな、どうやったら伸ばせるかな。考えちゃまずいか、私は頬を引っ張って緩んだ顔を元に戻した。


―――


「見境同級生、」

はて、誰のことだろう。誰が私を呼んだんだ? 私は後ろを振り向き、名前を呼んだ人を見た。

「生徒、会長、どうかしましたか?」

怖い、この人怖い。なんでグラフから線が飛び出てるのおかしいでしょ。それも一斉に。

「頼みがある」
「内容によって受けるか決まりますが」
「企画の審判をしてもらいたい」

審判、だと。私はうずうずしてしまう。まあしょうがない、私はそういう奴だ。

「どうして私に、ですか?」
「いや、な。審判と言ったら試合に出ている生徒に聞いて回っていたら、みな口々に見境同級生を推していたからな」

私役に立っていたんだ。時々、周りの人から試合の審判や、トレーニング方法を聞かれたりしていた。役に立っていたんだ私。

「で、どうだ?」
「私でよければ」
「ありがとう!」

ぱあっといつもは見ない笑顔を見せ、生徒会長さんは去っていった。
あんな笑顔見せるんだ…、私びっくりしたよ。


111113


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