階下から古賀いたみの痛い、という悲鳴が聞こえた。やはり終わったか。阿久根高貴は破壊臣だった、否、今も破壊臣といっても過言ではないだろうか。 阿久根高貴は破壊と非破壊、どちらも持っている、そして柔道のルールを熟知している。そんな阿久根高貴が古賀いたみの悲鳴を聞いたらやはりまずい、と思うかむしろ自身の技、まあ破壊が決まったと思うからかすぐ手を外すだろう。 黒神まぐろがいたからこそ、解析(アナリスト)が出来、古賀いたみを疲れさせることが出来た。古賀いたみはウルト●マンであり、それ以上でも以下でもない。たかが数分しか最強になれないのだ。 「行く、べきか」 シャッターは下の階の音を遮断はしているが、大きな音――所謂コンクリートを砕けさせる等そういうことにおいては、遮断出来ない。 「コンクリートが砕けるというのはどんな脚力だ。黒神めだか」 消去法で黒神めだか。それ以外では古賀いたみだが。まあ古賀いたみはあの悲鳴で、やられた、という風に思うのが正しいだろうが。 「階下に下りるしかないだろうか…やはり声が聞こえない」 ウィーン、と階段を下りると防犯カメラが動いた。 「理事長、見ているのでしょう。私は私のまま進みます。邪魔はご法度ですので。やらないで下さいね」 私は防犯カメラに向かって喋り、また階段をこつこつと下りていったのだった。 120427 この待っている間にめだかちゃんは騙されまくってます prev|next |