判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

高千穂仕種に指を刺されたほうに向かうと閉ざされた扉があった。まあ先程までモニターで見ていたから、ここにいることはわかっているのだが。

「失礼する。宗像形、手当てしに来た」
「ああ、見境か」

岩に背中を預け、眼前には刀剣。そして後ろにはばらばらになった拳銃。

「宗像形、どうだった、人吉善吉は」
「友達になった」
「どういう気分だ、宗像形。あと擦り傷がひどいな。とりあえず消毒する。そのままでいろ。あと殺そうと考えるな。今の見境菜詩は宗像形、お前が知っている見境菜詩ではない。逆に返り討ちができるもんだ。まあ見た感じ、眼前に広がる刀剣で突き付けられ、ほとんど機能しないようだがな。まあ爪を私の頸動脈にあて、突き刺すという方法もあるがまあ無駄だ。今は大人しくしておけ。応急処置は施す。あと、おそらくお前は動けるだろう?私の携帯を使って赤青黄に連絡しろ。高千穂仕種も結構なケガをしていたからな。二人揃って行っても問題ないだろう。赤青黄はおそらくお前には殺されないだろうからな」
「饒舌だね見境」
「まあな」

言いたいことを手当てをしつつおもいっきり言った私は、ため息を漏らした。とりあえず、この分で大丈夫だろう。異常(アブノーマル)のみなさまは割合的に丈夫だからな。

「宗像形、友達が欲しいのだろう?なら私と友達にならないか。私は今どんな奴も普通に見える。今現在私から見たらお前はケガをしたただの普通の人だ。私から見れば殺人衝動なんてない。ない、という言い方は失礼か。まあ私の中ではないに等しくなっている。どうする宗像形。今の私じゃない私も仲良くする気がありありと伝わる。まあ答えはなんでもいい。ゆっくり待つさ。とりあえず、私の携帯電話を使って電話をしろ。わかるだろ」
「ああ」

私は所持している5つ目の携帯電話を渡した。一応、異常(アブノーマル)ということでわけている。まあ私の勘だから間違えてる確率が高いが。

「じゃあ私は喜界島もがなを追ってここに来た。だからもう行くぞ。ちなみにその携帯貰っても問題ない。全てはPCの中に入ってるからな。では、宗像形私はもう行く」

屈んでいたひざを立たせ、私は次の扉へと向かっていったのだった。



120307




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