判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

眼鏡をつけたまま私は【拒絶の扉】まで着きました。走ったからか息切れてますけれど。

「…眼鏡外すべきだったか」

拒絶の扉はおそらく阿久根先輩がやったであろう壊れたPWを入力する装置、そして少しひしゃげた蝋立て。元破壊臣とでもいうところだろうか。

「…あ、私救急セット…忘れた…」

これから危険なところへ行くというのに、私としたことがなんたる失態。

「赤さんから貰ってこよう」

保健室には赤さんという委員長さんがいる。赤青黄と何故かチューリップが思い浮かぶが、実際の赤さんは長い爪を持つ、赤衣の天使なのだ。なにもかも治せるから、私としてもとても嬉しい。あと5秒縮められる才があるのに怪我をした人が以前いたが、赤さんのおかげで約一週間の休養で済んだのだ。

「失礼、します。赤さん、救急セット分けてくださいー」
「あ、見境か。そこにあるから量が多いの持っていけばいいと思うよ。またやっかいごと?」
「えーと、友人の為に行くんです」

量を確認して私は自分の制服へと押し込む。ガーゼと絆創膏、消毒液に、ティッシュ。そして塗り薬。

「赤さん、ありがとうございます」
「怪我しないでね」

失礼しました、と保健室を出て、私は拒絶の扉へと向かい、思い付いた8桁の番号を押し、私は中へと入っていった。



120125




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