判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

普通、というのは難しい。本当に。私は普通にしか見えない異常を持ち、全てが普通に見えました。しかし今では普通でもない人はいるし、普通の人もいる。はてさて、普通の定義って何なのでしょうかね。
人吉を見ていると生徒会の中で1番の普通の人かと思います。ちなみに常識人は阿久根先輩。黒神さんはどこかしらズレてますし、もがなちゃんはもがなちゃんでやはり少しズレている。問題はないですが、ね。
そして、今戦っている宗像先輩。先輩もおそらく、いや確実にズレている。何がおかしい、ではなく絶対におかしいと言い切れるレベル。おそらく、このフラスコ計画はおかしい人が沢山いて、私は堪えられなくなるんでしょうね。

「少し、外の空気吸ってきますね」

理事長室から出て、窓を開け、外を眺める。外は外で部活をしているし、今この学園で13組と生徒会が戦っているとは思ってもいないだろう。ああもう、普通ってなんだろうか。

「何、してるの?」
「ああ、諫早先輩。どうも」
「どうも。で、顔色悪いよ?平気?」
「平気、ですよ。先輩も先輩で頑張ってるんですね」
「勿論、先輩には負けないようにしてるから。じゃあ、気をつけてね」

はい、と軽く返事をし諫早先輩は走って行ってしまった。

「私、何してるんだろう。…もがなちゃん、もがなちゃんのところに行かなきゃ」

ふ、と沸き上がった結論。とりあえず、理事長室に言って人吉の結果を見るとします。

「つまり俺達はもう友達じゃねーかよ。そんなよそよそしいことを言われたら傷つくぜ!」

そして握手。うん。いい絵だ。

「――――それでは」

扉の近くにいたからかしっかりと聞き取れなかったが、おそらく殺人犯のレッテルを剥がしたのだろう。ぼそり、と不知火さんと理事長の声が聞こえる。うん。そんな悲しい顔しちゃダメですよ。不知火さん。
私はいたたまれなくて、理事長室を飛び出しもがなちゃんのところへ向かったのだった。


120117




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