判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

「世界は平凡か?」
「未来は退屈か?」
「現実は適当か?」
「安心しろ、それでも生きることは劇的だ!」

そうやって大言壮語をした生徒会長――…黒神めだかは私にとって恐ろしいものだった。
人ではないんじゃないかと思うくらいに数値がおかしいのに、どうして人の上に立って堂々としているのだろうか。おかしいと思う。私は手に持っていた眼鏡をかけ直し、彼女の演説を流していた。まあ私のクラスでしっかり聞いてるのはほとんど無に近いけれど。

ここの偉い人がいうには私は“異常(アブノーマル)“に属すらしいが、そんなことを決めるのがおかしいと思う。だから私は多くの人が見られる11組に所属したのだ。1組とかつまらないし、11組にいたほうが個人的にもとてもいい。周りを見渡すと何も面白くない。みんな平均値レベル。何か秀でている人はいないのだろうか。眼鏡を外し、見る。一人だけ、いた。あの人の肺活量だけは人の何倍もの力を持ってる。

「喜界島さんですよね」
「…何?」
「水着着てないと落ち着かないんですか?」
「なんで知って…!」
「私が言うのでもないですが、水泳はしっかり続けたほうがよさそうですよ。おそらく、今後必要になりそうですし」

言いたいことを言って会釈をする。この人ぐらいしかいないかな、一年では…。二年、三年ともなると飛躍的に伸びている人もいるし、まあまだ発展途上ってことですかね。喜界島さんはおそらく伸びが早いのだろうな、と私は会長さんの話を聞かず喜界島さんの横に収まり考えていた。


―――


演説が終わり、ぞろぞろと1組から教室へ戻っていく。私は人間観察、もとい人の測定値を見るのが好きだ。だからこそ、1組の人もみる。でも1組は普通だからあまり期待はしない。

「……っ!」

普通じゃないの確実に1人いた。あの人おかしい。何も見えない。曇ってる。何あれ、何あれ。私は怖くなり眼鏡をつけた。
それが偉い人、まあ理事長の孫の不知火半袖とは知らずに。



111112
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