「お前、見境菜詩だよな」 「そうですけど…えっと…」 少し眼鏡をずらし、名前を確認する。うわ、生徒会長さんより弱いけどグラフの伸び率が、おかしい。雲仙、先輩でいいんだろうか。年齢的にはおかしいけれど。 「あぁ、名前かぁ…雲仙冥利っつーんだ。一応先輩やってるから敬いやがれ」 「は、はあ…で、どうかしましたか?」 雲仙先輩は私に何の用だろうか…。私何もしてないのですが、腕に巻かれてる風紀の腕章。風紀委員会の方、ですよね。私何も乱してないと思うのですが…。 「お前、持ちすぎじゃねーか?何がとか言わせねぇぞ。その制服の中だ」 「審判用品ですか…」 「それだな、っでもスタンガンとか何に使うんだぁ?」 スタンガンも持ってるのばれてるのか、変に隠し事はしないほうがいいな。 「私狙わているので、色々と。雲仙先輩知りませんか。ついでに審判用品のほうは理事長から許可得ていますので」 「狙われてる、理事長……、お前、13に来なかった11か?」 「そう、ですね…、悲しいことに」 そこまで理解しているなら話が早い。ああ、そうか、雲仙先輩は13の人か。それも理事長と仲がいい方の――。 「お前サイコロの奴やって何になったんだ?」 「サイコロ、ですか…やったようなやらなかったような――…、あ、1から6まで綺麗に並びましたね。それが何か…?」 ケケケ、と異質な笑い方をしながら雲仙先輩は笑みを深くした。 「そうか、なら仕方ねぇな…許しておく」 「はあ…」 雲仙先輩は私に何用だったのだろうか…。 「やり過ぎなきゃ正義じゃない」 といい言葉を掲げている風紀委員会。それと対極をなしているのが生徒会。いつぶつかってもおかしくない。そして、もがなちゃんに被害がおきても――…。私は拳をつくり、ぎゅと握りしめた。 111203 prev|next |