判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

簡単に結果を私がお送りしようと思う。
やはり私の思った通りに、柔道部の鍋島先輩が勝ち取った。いい台詞言ってみんなぽやっとしていたところを公平にしっかりとっていた。実際的には卑怯と言わんばかりだがルール的には正しい選択だ。ヒーローの変身シーンに戦いをする敵みたいなものかと思う。意味違うかな。公平な私もさすがにびっくりした。柔道部の後輩さん達も鍋島先輩に驚いただろうなあ…。でも鍋島先輩に育てられてるだけあって慣れているということでいいんだろうか、まあそうしておこう。

「綺麗な相手に汚く勝つ」

それが鍋島先輩の志ならば私は何も言わない。それがルールに反していなければ、何も。

そして、私は競泳部の方々と仲良くなった。喜界島さんも少し雰囲気が柔らかくなり、普通に話せるように…可愛いな。おっと私情が。おそらく生徒会長さんのキス、辺りのお陰なのだろうが。

「菜詩ちゃん、私ね」
「嬉しそうですね、喜界島さんどうしましたか?」

ぷうと頬を膨らませ、喜界島さんが私にいつものように笑顔を浮かべながら少し眉を吊り上げる。

「名前でいいのに…、」
「もがなちゃん…で、どうしました?」

笑顔を浮かべ、私にくっつく。

「生徒会に勧誘されたの、」
「やっぱり、でどうする…の?」

敬語を外すのは一苦労だ。でもそれで彼女が笑ってくれるならいいか。

「屋久島さんと種子島さんに同級生の友達も作っておけって言われたから入ろうと思って」
「そう、いいんじゃない…かな?友達作ってきてね」

私はくるりと振り返り、陸上部方面へ向かう。今日は、陸上部のタイム測定だ。

「菜詩ちゃん!」

名前を呼ばれ喜界島さんのほうを見る。あ、もがなちゃんだった。

「私たち、友達?」
「友達、かなあ?もがなちゃんと話すの楽しいしね」

ぱあ、と花が咲いたように笑うもがなちゃんが可愛くて、私もぎこちないながらも微笑み返した。



111202


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