判断ヲ下ス(めだ箱) | ナノ

私この企画作った人阿呆だと思うのですが、そうですよね。企画作ったのを会長さんだと言わないでほしい。多分考えなくとも会長さんが多いと思うけど。
「第三回戦!ウナギつかみどり!」
「美味しそうだよねっ!」
「さすが生は…、っとルールの説明しますね。この競技も――…」

話を聞いている限り私の仕事のようだ。それも一番の。一匹一ポイント。とりあえず掴んで手元にあるウナギを数えていけばいいらしい。私は、一応用意しておいた目薬を一滴ずつ垂らし、用意をしていた。

「よおい…どんっ!」

阿蘇さんの声がプールに響き、反響する。よし、仕事をせねば。
ちらり、と会長さんを見、取れないと核心した私は喜界島さんと鍋島先輩を見ていた。多分喜界島さんが多く取りそうだし、卑怯が得意な鍋島先輩は人のを取りそうだし。要注意人物である、色々と。

「っ、これ滑る!」

各々、ウナギつかみどりは苦戦しているようだ。会長さんは会長さんで動くとウナギも一定を保って逃げる。それを見越してか喜界島さんは会長さんの傍にいるウナギを次々と捕まえていく。あ、今13匹。

「やめてください!」

統計をあっさりと書いて、近くにあるファックスで放送室へ送る。さて届いたかな。

「競泳部、13匹で一位、」
「ひゃひゃ、流石だね!あ、掴めたウナギは見境さん近くの箱の中に入れてね!今日のお昼にさせるからさ!」
「あ、この箱にいれてください」

にゅるにゅると箱(いつの間にかあった)にウナギが貯まっていく。お腹空くねやっぱり。

「喜界島さん、お疲れ様でした」
「見境か、ありがとね」

礼を言われたことなんて数えられるくらいなんだけど…嬉しいな。

「一旦お昼休憩入ります!ご飯は今回捕まえたウナギで重にします、気合い入れてくださいね!では!」

阿蘇さんの声が途切れ、ウナギが持っていかれる。
お腹、すいたなあ。鰻重か、食べられるかな。

「見境同級生、色々とすまんな」
「いえ、楽しいので。では私用事があるので」

そういって私は放送室のほうへ向かっていった。その間に会長さんが競泳部にたんかを切ったのは私は知らない。そして、放送室で私の知らぬ間に最後の競技が決まっていたのだった。


111123


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