待ち合わせはあの河原から少し離れたところ。 ちゃんと制服をきっちり着こなして、スカートはちょっぴり折って…、どこにでもいる女子高生!っぽい格好。 風が強いからか、髪がばさばさと揺れる。二つ縛りを解き、肩より少し長い髪が舞っていて端から見れば怪しい女子高生かな、なんてどこにでもいそうなんかじゃないかと一人で突っ込みを入れる。 …しかし金髪くん遅いな…。
「あ、おーいミカリン!」 「…金髪くんおそ…って何で私服」 「むしろなんでミカリン制服なんだよ」 「いやなんとなくですけど」 「ドヤ顔するなって、というか私服変か?」
いいえ、普通に似合ってますとか何恥ずかしくて言えないんですけど、なんなの金髪くんのくせに私服格好いいとかなんなの爆発しろよ色んな意味で!! というか学校帰りだよね、私服ってえっ。…あ、下は学生服だ。上だけ違うんだ。
「変、ではないと思う」 「そっか、よかった」
ほっとした表情を浮かべる金髪くん、いやもうこの際名前で呼んでやろうではないか。
「あ、サオリンは?」 「あやつは普通にデートらしいぞ」 「彼氏いたんだな」 「あやつ黙ってれば可愛いからな、女の子らしいし」「途中で口調諦めるなよ、…じゃあ本屋行くか」
これでやっちゃん奇襲計画は完了だ。やっちゃん無事に奇襲してきてね。
私たちは本屋に着くまでに当たり障りない会話を交わす。むしろ金髪くん、いやヨシタケくんと今後話さなくてもいいんじゃないだろうか、と思うほどの会話。眼鏡くんみたいに落ちがしっかりある、みたいな会話じゃなくて、おもいっきりどうでもいい流せる会話である。
「……シュールだよな?」 「あー、うんそーだね」
しかしどんな話にも結論をシュールにさせたい願望があるらしく最後にはほぼシュールだな、とかシュールだよな、とか意味がわからなくなるくらい言っていた。なんだろう。何故かイラッとくる。
「到着っと…、んじゃ何見るかなー」 「決まってるだろうヨシタケくんよ。漫画コーナーだ!」
私は比較的漫画が好きだ。少年、少女、青年etc。エロいのは見ないが、少年漫画っぽいエロいのは許すほうである。むしろ少年漫画は弟がよく持っているので勝手に読んでいる。
「ミカリン漫画読むのか」 「まあ、ね。あ、名前でいいよ、問題ない」 「お、おう」
キョロキョロと漫画コーナーを見渡して新刊を見つける。ちなみに少女漫画だ。イラストとストーリーが好きで単行本で買っている。
「そんなの読むんだ…サキ、さんは」 「名前呼ぶの恥ずかしいのかいヨシタケくんよ」 「…そりゃあ…、まあ」 「青春だね、青い春だね」 「どっちも意味一緒だろ」 「そーともいったりりー」
この少女漫画は買いだな、と思ってまた新刊を漁る。
「お、弟が好きなやつだ」 「暴力系っぽいのが好きなんか」 「んー、多分。部屋行くと表紙赤か黒が多いなあ」 「そりゃ好きだな。でも俺苦手なんだよなあ…こんなの物理的に無理だろって思って突っ込むし」 「あるある。お前どれだけ力あるんだよ、みたいなね」
漫画の話で会話を進めていく。
「あ、そうだ。日常ギャグものって好き?」 「まあ」 「オススメ貸すよ。嵌まってね、全力で。いや嵌まれ」 「強制!?」
好きな人あまりいないから嵌めないと、というような私の心境である。
「あ、CDも見ようか。洋楽ーっ」
この本屋はCDと本が普通に売ってたりするのでお気に入り店の1つ。まあ、チェーン店なだけなんですが。 というかやっちゃん奇襲計画は決行出来たのだろうか。押し倒してなければいいけれど。悶々と考えて、時間を見た。本屋に入ってから一時間は経っている。家帰らないとまずいかな。
「ヒデノリ大丈夫かな…」 「押し倒されてなきゃいいね…」 「押し…っ!?」 「いや冗談だから」 「というか結構時間経ったな…帰るか、漫画買って」 「立ち読みしまくってたからね…。そだね、帰りますか」
漫画を買って、駅に向かう。彼は姉からスーパーでなんか買ってこいという御達示が来たようで、本屋でわかれた。大変だ、弟って奴も。
金髪くんとデート(笑)
…家へ帰ったら漫画を読もう。
120811 遅くてすみません。 金髪くんとデート(笑)みたいな話でした! 口調迷子すぎるぜ…
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