流石にやっちゃんと眼鏡くんを会わせないとまずい気がする、と内心思い(やっちゃん最近冷たいし。いや別に気にしてないけどね)、空気くん(タダクニくん)にメールをしようと思う。 眼鏡くんは空気くんと金髪くん(ヨシタケくん)との三人組が多いから、二人がいない眼鏡くんのみのときにやっちゃんを河原に奇襲させるという戦法である。…言い方が変な気がするけど、あながち間違いではないから奇襲と戦法で。
【To 空気くん】
ここまではいい。さて、内容をどうしようか。 私はメールを打つのが苦手である。顔文字すら使えない一世代前の女子高生だ。ちなみに私の母が1番私の中で女子高校生らしい。
【お久しぶりです】
と一文打って削除した。……時間経ったらまた電話しようかなあ…。 弟になんか言われるかもだけど、まあ気にしないことにして。
「電話を、しよう。私メールいやだし…」
思い立ったが吉日。むしろ思い立ったがそのときにかけねばならぬ、何事も!!
「出るかなー」
電話越しにベルの音。出るかな、出るかな。
「…はい?」 「もしもしタダクニくんですか…ってあれ女の子の声…」 「え、これ…うわ、お兄ちゃんの携帯じゃん…、自分のあったっけ…」 「タダクニくんの妹さんですか!…あー、めーちゃん、だっけ。巷で噂の」 「え、どういう意味ですか」 「いやよく三人組を追っ掛けているという噂が。誰が好みなのかなあって」 「え…」
凄く嫌な声音だった…、ぞ…。もしかして、三人組タダクニくんの妹さんに悪戯してない…よね。
「あ、名前!名前言ってなかったよね!笹原サキ。あだ名はミカリン。あだ名で呼んでね!」 「ああ、周りで電波な女の子ってミカリンさんでしたか」 「どういう意味…っ!?」
えっ、何私、電波みたいなおかしな女の子と思われている訳なの。どういうことなの。
「そういう意味ですってば、あ、お兄ちゃんになんか用あったんですよね?多分バイト行ってるんで…、」 「ああ、あそこか…、じゃあ後でかけ直すって言っておいてくれないかな。バイト終わって何時に帰ってくるかわかる?」 「んー…19時近くには帰ってきてますかね」 「なら20時に電車かけるよ。よろしく言っておいてね。じゃあまたね、めーちゃん」
ありのままってむずかしい
(妹さんの声、可愛かったなあ…)
120531 めーちゃん登場。 口調がわからない…!
|