だらっと日常(男子高) | ナノ





ヴヴヴ…と軽い振動音がして、なんでサイレントモードにしておかなかったんだよ、俺!とちょっと後悔した。

「おい、誰だ。携帯揺れたの」

カチカチという誰かが何かを打っている音はほぼ日常茶飯事で、だからこそ、授業中に携帯のバイブレーションが鳴るのはご法度だ。いやまあ授業に支障がでるから、といったほうが正しいけれど。
しかしいやタイミング悪すぎる…!周囲の空気はお前だろ、早く出せよみたいな雰囲気を醸し出していて、すごく…きつい。
どうしようか、と思っていたらガタンと机が揺れ、視線が一点に集まった。…助かった。とりあえず電源を切って、昼休みに電源入れてメールチェックしよう。

「ミツオ、お前俺の授業で…!」
「…んぅ…?」

ガタンと痙攣を起こしたのはミツオくんらしい。感謝だな、うん。
この授業は先生のミツオくんへの説教で終わり、俺は携帯の電源を入れて、メールを見る。

「洗濯なあ…」
「ヒデノリ」
「ん?ああ唐沢か。ミカリンからメール来たんだろ」
「ああ、ちなみに3日以内に返せと言っていた」
「それ先に言えよ!」

携帯で週間天気予報を見たら曇りだったので、明日か明後日洗濯物が綺麗に乾くことを願うことにした。



120515




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