私は久しぶりに奈古ちゃんがバイトをしている、ピザ屋を訪れた。ちなみに過去の私はここでバイトをしていたので店長さんとは顔見知りである。
「こんちはーっす!」 「ん?ああ、サキか。久しぶり」
さくさくと仕事をしている奈古ちゃん。うん。今日も今日とて変わらないね。
「奈古ちゃん、今日暇?」 「そんなこと聞くなって。いつも通りな感じ」 「おういえ!じゃ、私ここにいるー」 「あんた変わったね…」 「やっだな、奈古ちゃん、私変わってないよ」 「いやだって、最初呼び捨てだったでしょ」 「うっ、痛いとこをつくな!」
まあ私も荒れてましたから。仕方ないでしょ。うん。名の知れたあーくでーもん?みたいなものよりかはマシだけど。
「で、何しに来たの?」 「ピザ食べに来たの」 「注文しろ!」 「私の家、電車を乗り継いで行くんだけどそこまで配達してくれるの?」 「……してあげたいのは山々だが無理」
ごめんね、奈古ちゃん。つい、減らず口を叩いてしまったよ。わざとじゃないよ。
「ちーっす」 「ちっす」 「うお、タダクニくんじゃないか」 「何、サキ知り合い?」 「知り合いというか友達?」 「何、奈古さんの友達なの?」 「いや過去のバイト仲間」 「奈古ちゃんひっどい!」
過去のバイト仲間って言い方ひっどいよ奈古ちゃん!
「まあ、いいけど。奈古ちゃん連れないー。あ、ピザ食べに来たんだった!一つ下さいな」
私は財布を出して、奈古ちゃんに言ったら、また電話をかけろと怒られた。ちぇ。
「じゃ、いいや。多分ここにはもう来ないし。奈古ちゃんまたどっかで会おうではないか!」
私は入ってきた扉からでていった。それと逆に男の子がその扉から中に入っていったのだった。
「暇、潰せなくなっちゃったなあ。家帰りたくないんだけど。まあしょうがないか」
私は一人呟いて、駅のほうに向かったのだった。
120216 夢主ちゃんの過去っぽい感じ。 私の中で女の子は本心を隠す為に明るく振る舞っているという風に思うので。
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