だらっと日常(男子高) | ナノ





海、それは母なるなんか。
海、それはリア充どもが集まる巣窟。
海、それは、それは?

「海っていったらなんだろねー」
「…海の王子様とか?」
「それいい感じにパクリしてるよ」

私は友人たちと一緒に海に来ていた。ちなみに泳いではない。ぼうと眺めていただけだ。…泳げない訳でもないし。
ちなみに水着が学校指定のを持ってきたから恥ずかしいとかじゃない。一人で学校指定じゃないだけましだろう。まあ割と話したことある子だし、問題はないだろう。

「おー、ナンパしてるな」
「してるね」
「逆ナンしてくる?」
「ありえないでしょ、あんなやつらに」
「そりゃそうか」

ぼう、と眺めていると友人たちはナンパをされ、笑いながら断っている。うん、そりゃそうか。

「あ、なんかむせた」
「変なこと思いついたね、確実」
「…女の子見てるし、それもお昼を持った…あ、麺食いとメンクイを掛けたのを思い付いた、とか?」
「何それ…」

呆れた顔をしながらも笑わないように堪えている友人。すごく、猫みたい。真面目っぽいのに、黒髪ロング!ストレート!

「あ、叩かれてる…。ね、先に旅館行ってようか、顔だけ焼けちゃわない?」
「そうね、行きましょうか」

遊んでいる友人たちに、旅館に行っているという旨を伝え、旅館へ行くことにした。

「広いなー、あ、お風呂入ろーよ、温泉らしいよ!」
「いいけど、まだやめといたら?清掃中って書いてある」
「それ先言って!」

やだ恥ずかしい。
部屋に戻ると彼女は鞄からノートとシャーペンを出し机の上へ置きそしてシャーペンを走らせていた。おそらく聞いたら話してくれなそうなので、ひっそりと覗くとそこには自作と思わしき小説があった。

「へぇ、小説書いてるんだ」
「っ!」

ばっ、と一式を急いでいれる彼女。読んでみたかったなあ。

「ねぇ、それ読ませてくれない」
「え、嫌だ」
「添削し合おうよ、ほら」

私も自身の鞄を引き寄せて、ノートを取り出した。実は私もひっそり書いていたりはしていたのだ。彼女は私の顔とノートを交互に見た後、私にノートを渡してきた。私はそのかわりに私のノートを彼女に渡した。

それが、私たちが知り合った1つの理由だった。
彼女の小説は設定が凄く凝っていて、とてもよかった。私のとは比べものにならないくらいに。
「普通でいいと思うよ、これ」

あっさりと感想を言われ、私も設定がとてもよかったというと彼女は所謂チェシャ猫のようににやりと目を細めて笑みを浮かべた。

「もう少しで帰ってくるかな」
「多分。片付けておこっかね」

私たちはいそいそとノートを鞄に戻した後、お互いの感想を言った。いいところは少し真似していけばいいし、悪いところは直せばいい。そんな当たり前なことを私たちは楽しんだのであった。

「ねぇ、また書いたら見せ合っこしない?」

その言葉はいったいどちらがいったものなのか。





120210
ちなみに文学少女と仲良くなったお話です
友人経由で仲良くなりました。



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