「アンケート?」

「おう。なんか、今度の放送委員の企画でお前の特集することになったんやけどな、その為のアンケートに答えて欲しいねんて」

「特集て……誰が喜ぶん。」

「女子生徒?」

「わけわからんな」










だってあの子がNo.1










そんなこんなで手渡されたアンケート用紙を俺はじっと見つめた。
いったい何が楽しくて俺の特集を組んだのか、なんて事は考えるだけ無駄なんだろうが文句は絶える事を知らない。
毎度変な企画を立ち上げては特集を組む放送委員のことだから今回も単なるお遊びなのは間違いないが、それに巻き込まれる方としては大変楽しくないわけで、文句が出て当然だろう。
しかもアンケートの内容が余りにもおかしすぎる。いったい何が楽しくて俺の好みのタイプとか聞くんだろうか。
誰得だよ、なんてぼやけば謙也も代わり映えしない返事を淡々と返してきた。
女子得ってなんだよそれ。

「ほんま…わけわからん」

「ここは一発男前に答えてや!」

「人事だと思って…」

参ったなあ、なんて顔をしようが態度で示そうが謙也は頑張れとしか返さず、それでも親友かと問いただしたくなった。
何が楽しくて全校生徒にこんな事を教えなければならないのだろうか。
恥ずかしくて死ぬ。

でも答えなければ帰しません態度の謙也を切り抜ける気力もないし、諦めて答えるしかないのか…


また視線をアンケート用紙に戻してQ1を見る。
最初の質問は好みのタイプと書いてあった。

「好みのタイプ…」

「お、答える気になったんか?」

「んー?素直に書けばええんやな」

「おう」

好み、といえば
生意気で、素直じゃなくて、だけど実は優しくて気の利く子で…………てっ

「財前やんな」

「は?」

「好みのタイプ。」

「いや、あの、いまいち話しの流れが……」

「だから、好みのタイプってもろに財前なんやなー、って」

確かに俺と財前は付き合ってるんだから好みのタイプが相手ドンピシャに変わってしまうのは当たり前なのかもしれない。昔は好みのタイプとか全然違ったのに、いつの間にか浸蝕されたらしい。
そう考えるとなんだか照れるな。財前もアンケートとかやったら俺のこと考えてくれるだろうか。

あ、やばい

顔が熱くなる

めっちゃ恥ずかしい


「あの……白石さん?」

「なあ謙也」

「な、なんやねん」

「財前にもアンケートやらん?俺、財前の好みのタイプとかめっちゃ気になんねん」

「………それこそ誰得や」

「俺得に決まっとるやろ」

「顔を赤らめながら言うんやめて貰えません?」

「せやって財前が好みのタイプに俺の名前とか書いたらどないするん!?」

嬉しさと恥ずかしさの間で揺れるやろ!と俺が詰め寄れば謙也はもの凄く嫌な顔した。
ツッコミ切れない、って時によく謙也がする表情だが今そんなにツッコミ所があっただろうか?
たまに謙也はよく分からないからココはスルーでもいいか。

とにかく、これは凄くいい案だ。財前にもアンケートをやろう!
それで、もしも俺の名前とか書いたら……
あ、考えただけでリタイアしそうや
心臓に悪い妄想やな

「わ、わかった…お前の言いたいことは多分とりあえずわかった!」

「ほんまに?」

「ほんまに……せやからまずは白石がアンケート答えてくれん?」

まるで譲歩しますとでも言いたげな謙也に少し納得できないが、財前にもアンケートをやってくれるらしいのでまあいいか、と俺はもう一度用紙に向かう。
次は好きな仕種と書かれていた。

好きな仕種…
財前がたまにピアス弄ったりしてるのとか見るとドキドキするな
あと、前髪をあげる時とかもめっちゃかっこええし!

あー、もしかしたら俺、財前なら何をやってもかっこええって思ってまうかも
ゾッコンやな〜

「なあ謙也、なんで財前ってあないにかっこええんやろ」

「……………………しらんがな!お前真面目に答える気あるんか白石!!」

「有るからちゃんと考えてるんやろ!」

「なんで考えた結果が全部財前やねん!」

「しゃーないやん!だって、



財前が一番好きやねんから!」










だってあの子がNo.1
(愛して止まないわけなんです)





END



リクエストありがとうございましたー!!!

無自覚でのろける光蔵とリクエストされたはずなのに、財前が欠席で申し訳ないです。
なにやら白石ものろけてるのか変人なのか分からない感じで……

ええと、こんな感じですが気持ちは目一杯込めましたので受けとって頂けると嬉しいです。

ではではリクエストありがとうございました!
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