隣の奴が曲を聞いてる。
前の女子がうとうとしてる。
先生が教卓の前で授業という名の演説をしてる。



どれもこれも
僕にはつっまんない日常にしか思えない。
運命に左右されて、それが義務みたいに毎日毎日。
高校は別に義務教育じゃないし入りたいわけじゃなかった。
でも、何か違うものが得られるんじゃないか、とか。
この義務の様なものから抜け出せるんじゃないかって思ったんだ。

でも、

「…(神は期待には答えてくれない?)」

誰に言うでもない疑問を心に残し、
ちらりと隣の席のくそ真面目に授業を聞いてる奴を見た。

ばち!と目が合った。

「…っ!」

彼はばっと目をそらしてしまった。何故か首まで真っ赤にして。

「…どした」

ぼそりと小さな声で聞いた。

「や、な、なんでも…」

「…なんでそんな赤くなってんの?」

「…っっ」

そう聞くと彼はびりっ!とノートを一枚ちぎった。
ざざっと何か書くとぽいっと投げてきた。

「…?」
かさりと開くとそこには。

思わず彼を見ると真っ赤になった顔を隠すように机に伏せていた。

くい、と彼の真っ赤な耳を引っ張るとびくん、と揺れる。
そんな彼にくす、と笑い小さな声で僕は言った。

「…じゃあ、僕と――」


神様、
これは運命と言う名の
義務ですか?

(好きなんだよの文字、)

知ってるのは僕だけ

青春不足症候群



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