甘党二人目

 
某道内の全寮制男子校。……の中のとある特別教室。
 
「うん、このくらいかな。」
 
ここは部員数3名の部活、製菓部の部室だった。
そこに一人呟きながらカシャカシャと生クリームを掻き混ぜる人物。そう、冒頭で僕と名乗った主人公、甘里優沙(あまざとゆさ)である。
 
「生クリームぬってー上に蓋してーチョコソースに粉砂糖ー♪」
 
そんなことを口ずさみながら出来たのはふっくらとしたシュークリーム。非常にうまそうである(by語り部)
 
「今日はだーれがくーるのっかなっ」
 
椅子に座ってぱたぱたと足を暇そうに振る甘里。
 
と、がらりとドアが開く。…入ってきたのはこの学園の生徒会長でありこの製菓部…もとい男子スイーツ部の部員、金代陽也(かねしろはるや)である。
 
「!…お、来てたのか。」
 
ここは所謂王道というやつで、会長は俺様何様陽也様…のはずだった。が、真っ先に裏切ってくれたのだ。なんとまぁ究極に甘党。しかもツンデレ。王道をそれちゃってくれたお方だ。
 
「やぁやぁはるちゃん(ーωー)」
 
顔文字やめれ!!
 
「ちっ、その名で呼ぶんじゃねぇ!!………今日はなに作ったんだよ。」 
「んとねー、はるちゃんの大好きないちごの入ったシュークリーム!」
 
「!!……しゃ、しゃあねえから俺が食ってやるよ!」
 
頬を赤く染めつつの見事なツンデレっぷり。
 
「ふふー♪おいちいでしゅかー?」
 
「!てめぇ!!」
 
 
バタバタと部室を逃げ回る甘里と追い掛ける金代。仲はすごくよろしいのです。
そんな甘党二人の他にもあと一人、甘党部員がいます。
それはまた後々。


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