よん
それから少しして、立食開始の合図がかかった。
「……さて(何食うかなー…)」
案の定、思った通りに普段あまり目立たない子達がきらびやかになっていて、僕は華麗に紛れ込んだ。(どや顔)
「……生ハムメロン………キッシュ………………うーん………」
様々な各国の料理が並んでいて非常に迷う。……まぁ時間はあるし、片っ端から行くか……。
「……あ」
と、ちょうど取ろうとした最後の一つを横から取られてしまった。
「え?あ、すみません!どうぞ…」
聞いたことのある声の主がわざわざ遠慮してくれた。……ってゆうかこの声……
「……佐竹くん?」
「…へ?……あ、あの、失礼ですがどなた…でしょうか…?」
気 付 い て な い
「ん゛ん゛っ……あ、いえ…ごめんなさい。実は佐竹くんのファンで……」
再び全力アニメ声。喉潰れそ…
「へ!!?え!?(リッリアル白雪姫!!!!!!)」
ぼん!!っと真っ赤になってあたふたする佐竹くん。だめだ、笑いが……
「……ぶふっ」
「ふぇ!!?」
なんだ!?といったような顔の佐竹くん。いやだから笑いが…
「……あっはっは!!!!佐竹くん、僕だよ……志月。」
「えっ!!!!あ、志月……先輩?……………誰かと思いました…ほんとに化けるんですね、人って……」
「でっしょー?」
にまりん、と悪戯に笑うとまたぽんっと赤くなる佐竹くん。りんごみたい。………りんご食べたくなってきた…
「…んじゃ、ちょっとあちこち食べてくるねぇ」
だっとすぐさまりんごを探しにその場を離れた。
「人振り回すの得意だな……あの人…………」