じゅう
「お前らの狙いは俺だろ!だったら俺を狙えよ?あ、まさか勝てないからこねぇの?」
フンッと言ったような態度で、馬鹿にしたようにニヒルに笑う八雲君。…地ですかそれ…。
「っだと!?…てめぇは、沈んでろ!!」
ぶんっと空をきった男の拳。途端、男の身体が宙に浮く。
「…っ!?」
だんっと男の身体が叩きつけられた。
「「「…………」」」
え、誰こいつ(←切実)。え、八雲君だよね。こんな強かったの?つか何よりあの口調。別人じゃん。
「……あ、りがと…う……?」
「何で疑問形なんだよ!こういうときはちゃんとお礼言わなきゃ駄目なんだぞ!!」
あれ、戻っちゃった。
「……そだね。…ありがと。」
「どーいたしまして!……んでお前ら!なんでこんなことしたんだよ!!」
びくりと肩をゆらすちっちゃいの。さっきので恐怖心にかられてるらしい。
「う、あ、あの……」
「なんだよ!!虐めは駄目だって「八雲君、ちょっとすとっぷ」…へ?」
ざり、と靴が音を立てる。
「ねぇ、」
「(びくっ)はいっ!!」
「…そんなに、びびらないで。…さっき、かばってくれて、ありがと。」
「は……え、あの!親衛隊として、当然のことですので…」
「…しんえーたい?…どこの?」
「は、副会長様、ですが…」
あの腹黒男か。
「…そ。……制裁も程々に。」
「へっ!?は、はあ……」
「あ!おいっどこ行くんだ!!?」
お、八雲君。忘れてた。
「ん?……逃げるが勝ち、だよ。」
ふっと笑って走って逃げた。………だって、生徒会がきてたから。