連鎖する僕ら 7
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「――で、どうするつもりだよ?」

 切り込み方はやっぱり端的で、容赦がない。まさか自分が言ったことが、ここで跳ね返ってくるとは思わなかった。こういうのも因果応報とか言うんだろうか。とりあえず今はあの頃の何も理解していなかった自分を、罵倒してやりたい気持ちでいっぱいだ。

 絶望的なほど、深い深いため息をついてみる。そして苦い口調で言ってやった。

「あんたに関係ある?」

「関係はないけど、無関心でいられるほど人間出来てないんでね」

 お前だってそうだったろう? 曽根は偉そうに言うと、これまた偉そうに両腕を組んだ。わたしは呻いた。

「そりゃ、そうだけど……」

 自分の周りがごたついてるのは落ち着かない。それに、あのときの曽根と初璃は上手くいく確信があったから。だから、突っついてやったのだ。でも今のわたしと間宮の場合は――。

「……こういうのって、実際に経験してみないと分かんないもんよね」

「別に告られたのは、はじめてってわけじゃねぇだろ」

 淡々とした曽根の言葉に、わたしは首を横に振った。

「親しい人間からは、はじめてだもの」

 それまでに受けた告白はみんな、よく知らない人からのものだった。だから、知らないことを理由にして断わることができた。知りたいと思うほど、相手に興味も持てなかったし。

 でも、今回は違う。間宮は違うんだ。間宮は知らない人じゃない。わたしは、ちゃんと知ってる。どうしようもないお調子者で、『口は災いの元』を体現してるようなバカで――でも、意外にちゃんと周りの人間のことを見てる、思いやれる、そういうヤツだってこと。全部ではないけれど、わたしは知っている。

「――そんなに考えこむことでもないんじゃねぇの?」

 黙りこんだわたしに、曽根は静かな口調で告げた。

「結局、お前がこれからどうしたいのかってことだろ? 哲が待ってんのは」

 それは以前、わたしが曽根に言ったこと。初璃に返す『答え』を見つけられずにいた曽根に、わたしが訊いたことだ。

 ――なら、わたしはどうしたい?

 それは何度も考えたことだった。間宮と一緒にいたいのか、いたくないのか。好きなのか、嫌いなのか。いちばん単純で、簡単で、大事なことを繰り返し、自分に問いかけてきた。だって、返すべき『答え』はわたしの気持ちだ。わたしの中にしか存在しないんだから。だから『答え』が分からないなんてことはない。見つからないはずがない。

 曽根の言葉が、わたしの中を暴いていく。わたしが彼にしたのと、同じように。

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