連鎖する僕ら 1 しおりを挟むしおりから読む目次へ 語尾が徐々にしおれていく様子に、思わず笑みが零れてしまう。言い慣れないことを口にしたから、照れてるんだろう。きっと今頃、ガシガシと頭を掻いてるに違いない。 一生懸命、伝えようとしてくれる。その気持ちが凄く嬉しい。 だからわたしは指先で目尻を拭って、いつもの声でこう言った。 「大丈夫だよ」 わたし、頑張るから。 やりたいことに真っ直ぐに向き合ってる曽根に負けないように。そのカノジョとして、恥ずかしくないように。 頑張るから。大丈夫だから。 まるで呪文みたいに、わたしは心の中で繰り返した。 祈るように、何度も何度も――。 【続】 |