沈黙。



先にそれを破ったのは、銀ちゃんだった。



「ありえねぇ…」



ため息混じりに吐き出された言葉に、あたしは凍り付いた。



「こういう展開になるか、フツー…」



銀ちゃんはガシガシと頭を掻き、遠い目で空を見上げた。


この時、勢いにまかせて告白してしまった事を後悔した。


どうしていいのか、わからない。



その瞬間。



「……のによ」


「へ…?」



ザアっと夏風が吹き上がる。



銀ちゃんの声は、それによって遮られた。




「だから」


あたしの前に来た銀ちゃんは、右手を引っ張った。


よって、彼の方へ抱き寄せられる形になる。



「ぎ、銀ちゃん!?」


「俺が、ココロん中しまっとけばいいんだって、思ってたのによ」


「ふぇ?」



意味がわからず、顔を見上げる。



「生徒に恋愛感情抱くなんて、どこのエロ教師だって思ってた。だけど……まっさかそれに、自分が成り下がっちまうなんてなぁ」




は、い?


頭が追い付かなかった。


まだ意味がわからない。




「ったく、鈍感な姫様のようだな。おい」



わしゃわしゃと頭を掻き、困った顔を向けられた。





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