4
沈黙。
先にそれを破ったのは、銀ちゃんだった。
「ありえねぇ…」
ため息混じりに吐き出された言葉に、あたしは凍り付いた。
「こういう展開になるか、フツー…」
銀ちゃんはガシガシと頭を掻き、遠い目で空を見上げた。
この時、勢いにまかせて告白してしまった事を後悔した。
どうしていいのか、わからない。
その瞬間。
「……のによ」
「へ…?」
ザアっと夏風が吹き上がる。
銀ちゃんの声は、それによって遮られた。
「だから」
あたしの前に来た銀ちゃんは、右手を引っ張った。
よって、彼の方へ抱き寄せられる形になる。
「ぎ、銀ちゃん!?」
「俺が、ココロん中しまっとけばいいんだって、思ってたのによ」
「ふぇ?」
意味がわからず、顔を見上げる。
「生徒に恋愛感情抱くなんて、どこのエロ教師だって思ってた。だけど……まっさかそれに、自分が成り下がっちまうなんてなぁ」
は、い?
頭が追い付かなかった。
まだ意味がわからない。
「ったく、鈍感な姫様のようだな。おい」
わしゃわしゃと頭を掻き、困った顔を向けられた。
[戻る]