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来たのは屋上。
「ぎーんちゃーんセーンセ」
「ああー?」
呼ぶと、銀ちゃんはひょっこり日陰から顔を出した。
きらきらする白髪が、銀ちゃんをもっとカッコよく見せる。
隣に行って、勝手に座った。
夏の日差しがぐんと温度を上げているものの、思ったより風通しがよくて涼しい。
「自習しとけっつったろー?お前、受験生だろーが」
「そう言う先生は、受験生の担任だろーが」
そう言うと、言うようになったな、コノヤロー。コツンとおでこを突かれた。
「えへへ」
「何か相談か?じゃなかったら帰れ。俺はNARUTO読むのに忙しんだよ」
今、泣けるとこ入ったんだよなー。などと言って、ジャンプに目を移した。
「ジャンプって、そんなに面白いの?」
「ばーか、面白いに決まってるだろ。ジャンプってのはなぁ…」
真剣に話し出す銀ちゃんが、なんだか子供っぽくて可愛くて。
やっぱりこの人の事、好きなんだなー。
なんて思ってみたり。
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