俺は今、とんでもない状況に置かれています。
目的地もないまま、ただがむしゃらに走っています。 その後ろから大きな鎌を持った少女が殺意に満ちたオーラで追い掛けてきています。
俺、どうしたらいいんでしょうか。
今俺が走っているのは商店街。まだ一日分の授業が終わってもないのにいきなり追われるもんだから学校を抜け出してきた。そこそこ賑わう商店街の中を俺はダッシュで駆け抜けている。商店街にいる人々は鎌を持った少女を見て驚くどころか、何かのショーと勘違いしているらしく大変盛り上がっていた。ったくほんとに呑気な人たちだとか考えてる間に俺は商店街を抜け、猛ダッシュで歩道橋を渡る。俺が歩道橋の階段をのぼっているあたりで少女も商店街を抜けたようで、俺が階段をのぼり終わり平な道を駆け抜けようとしたところで少女は軽やかに跳び、俺の目の前に着地した。
「もう逃げられないでありますですよ!」
少女は言葉を発したと同時に鎌を構える。その間に俺が後ろに逃げようとしたときにはもうすでに遅し、そこには少女の仲間であろう少年が立っていた。俺は少女から逃げることに必死で、もう一人いたとは気付かなかった。こうして俺は歩道橋で挟み撃ちされたのである。
「その元素を渡してもらうでありますですよ」
少女は俺の制服の胸ポケットに入っている二頭身の生き物を指差す。 ポケットに入っている生き物はさっきの追いかけっこに酔ったのか、目をぐるぐるさせている。 俺はふうと大きな溜息を一つしたところで目の前にいる少女にきいた。
「お前らは一体何なんだ!それにこの二頭身のやつも…」
俺は二頭身のやつを見る。まだ酔っているようだ。 少女はくすりと笑い、俺を見下すような顔で
「その人にきいてなかったでありますですか?」
と台詞を吐き、
「僕ちゃんたちは元素でありますです」
と言った。
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