元素本編 | ナノ




よんっ







中庭につくなり、女は満面の笑みを向けて、


「ふふふ、あたしが誰か知りたいんでしょ?」


そう言って、俺の胸ポケットを指す。


「その中に入ってるものをちょうだい」


「お前、元素か」


「おりょりょ!?よくわかったねー!でも、あたしはそこらへんの元素とは違うのだあ!!」


そうほざいた瞬間、女は人魂のようなものを複数出して、俺に向かって攻撃させてくる。
ちょ、ちょちょ!!火は熱いからやめて!


俺が人魂に気をとられていると、一つの人魂から手がはえて、俺の胸ポケットにいたウランをひっつかまえた。


「しまった!」


俺がそれに気付いたときはもうすでに遅し、人魂はウランを女のもとへと連れていっていた。…ていうか、こんな事態になっていても、まだ寝てるのか、ウランよ。


「ふふーん、ちょろいちょろい♪」


女は満面の笑みで、ウランのほっぺをすりすりしている。


「お前もラドンとかの仲間か!?」


それを聞いた女はきょとんとしてから、


「いやだっ!あんな子たちと一緒にしないで!!あたしは違うのう!!うーちゃんラブなんだからー!!」


ぶーぶーと口をアヒル口にして言う。うーちゃんとはなんだ。


「うーちゃんはこの子のことだよう!」


ああ、ウランのことか。


「きゃうー、うーちゃんかあいいよう!」


俺が女の言動にあっけにとられていると、


「お前、こんなところで何してる」


と、俺の背後から声がした。後ろを振り向けば、そこにはうちの学校の制服を着たカルシウムがいた。
あのー、お前とは俺のことですか?







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