元素本編 | ナノ




はちっ






大分日が暮れてきている。そろそろ解散しようと帰路につこうとしたそのとき


「ねえ、ちょっとアニ○イト寄ってもいいかしら?」


なんてテルルが言い出すもんだから、フードの女は渋々……ではなさそうだ、目をキラキラさせてテルルについていっている。ここで解散すればいいんだけど、残念ながら俺がここから家に帰るにはアニ○イトとやらが建っている道を通らないといけない。そのため、テルルたちと途中まで一緒に行動しなければならないのだ。カルシウムとは橋の時点で別れ、俺含む残りのやつはアニ○イトへの道を歩んでいた。


「なんであなたたちがついて来るのよ」


とテルルは不機嫌そうな顔で言うが、残念ながらついて来てるんじゃなくてここを通らないと家に帰れないと言っておくと、


「ふうん?」


と眉を片方だけ吊り上げて言ったきり、何も喋らなくなった。


結構な距離をまっすぐ歩いた先にテルルとフード女の目的地であるアニ○イトはあった。俺がテルルたちを見向きもせずにさっさとアニ○イトを通りすぎようとしたところで、


「きゃあああ!!!!!」


と悲鳴が聞こえた。
声のしたほうを見遣ると、そこにはアニ○イトの袋を持ったポニーテールの女が二人の20代くらいのチャラ男かつブサメンにビービー弾を撃たれていた。おいおい、ビービー弾なんて小学生かとツッコミたかったが、今はそんな場合じゃない。道行く人々は騒動に見向きもせず、通りすぎていくだけだ。ここは俺が助けるしかないのか…!?決心して二人の男と女の間に割り込もうとしたそのとき、


「まあ!!腐女子狩り?最低ね」


と俺の背後から今さっき聞いたばかりの声がした。後ろを振り向けば、そこにはテルルが。フードの女もいる。フードの女は襲われている女を見て、「弓削香(ゆみか)あ!!」と叫んでいる。


テルルの声をきいた男二人はなんだぁ!?とか何とか馬鹿丸だしの喋り方で言っている。テルルはそんな二人にお構いなしで、セーラームー○と同じポーズをとって、


「地球に変わっておしおきよ!」


と言った。窒素はそれを見て「厨二病…」とぼそりと呟いた。あれ、月じゃなかったっけ?てか俺何で知ってんだよ。あとで聞いた話だが、テルルの名前は地球が由来なので月じゃなくて地球にしたんだとか。


「これ、ずっとやってみたかったのよね!」


とテルルはぴょんぴょんと跳びはねている。男たちは痛いものを見るような目でテルルを見ている。
そして揚句の果てには


「窒素!やってしまいなさい!!」


と他人に押し付けるときた。
窒素はえーとかぶーぶー言っていたが、男二人がやっていたことにはお怒りだったようで二頭身から等身大に姿を変え、窒素の武器であるダイナマイトを数十本構えた。男たちはそれを見て恐怖の顔を浮かべている。







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