元素本編 | ナノ




にぃ







あまりにも背中が痛いので俺は授業を放り出して保健室に行くことにした。てか数日間ずっと放置していたのが悪かったみたいだ。消毒くらいならしてもらえるだろうと、ドアをガラッと開けるとそこには見知らぬ女の人がいた。
ああ、そういえば今年から保健室の先生新しく変わってたんだっけ。保健室自体滅多に行かないから気にもとめていなかった。


「あら、どうしたの?」


ときかれたので、俺は背中の痛みを訴えた。
その傷を見て、保健室の先生は「あー、これは酷いわねえ」と言ってパチンと指を鳴らした。じりじりした痛みが一気になくなった。不思議に思った俺は恐る恐る手をのばして自分の背中を触る。そこにはさっきまであったはずの傷がなくなっていた。


「な…何したんだよ」


俺の問いに保健室の先生はニコニコするだけで、「お大事に」とだけ言って俺を保健室から追い出した。
問いただそうと俺はもう一度保健室のドアをひこうとしたが、やめた。
なんとなく俺にはわかっていた。多分、彼女も元素なのではないかと。







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