元素本編 | ナノ




よんっ







こうして最初に戻るわけです。


「元素?」


と、俺が問えば少女はバカなものを見た目で


「元素って言ったら元素でありますです」


元素って…。人間の姿してないだろ…。


「確かにそうでありますですね。僕ちゃんたちは特別なのでありますですよ」


少女はくすりと笑い、


「僕ちゃんはラドン使い」


そして少年のほうを指差し、


「あの人はラジウム使い」


最後に俺の胸ポケットを指差して


「そしてその人はウラン使い」


ウランは知っているが、ラドン、ラジウムなんて聞いたことないぞ。ていうか、使いってなんだ。お前らは元素じゃないのか。


「元素でありますですよ?それより早く師匠を渡してくださいです」


ラドン使いと名乗った少女は手を出している。


「誰が渡すか」


俺は嫌がるやつを敵に明け渡すほど腐った人間じゃないんだぜ?


挟み撃ちにあった俺は色々逃げる方法を考えた。はなから闘うことなど頭にない。こいつらと真っ向勝負しても俺が負けることは目に見えている。歩道橋の下は道路で車がたくさん通っている。ここから逃げるには飛び降りるしかなさそうだが、ここから飛び降りれば、まず命はないとみていい。それくらいの高さだし、車も通っているからだ。ほかに方法はないかと考えている間にラドンは鎌を構え、


「渡さないのなら殺してでも奪うまで!」


と言い、鎌を振りかざしたその瞬間――
ガッと大きな音がしたかと思えば、ラドンは吹っ飛び歩道橋の柵に激しく身体をぶつける。それを見て武器を構えたラジウムも瞬く間に吹っ飛ばされた。







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