元素本編 | ナノ




にぃ







職員室に着くなり担任に怒鳴られた俺と斎は担任の呼び出し内容と説教とで職員室から戻る頃にはぐったりしていた。


「今まで何回もあったんだからこうなることわかってたでしょ!少しは学習能力つけたらどうなの」


担任の説教だけでこりごりだと言うのにこの女はまだ説教を続ける気か。


ちなみに担任の呼び出し内容は俺と斎の成績が壊滅状態にあることに関してだ。そろそろ真面目に勉強しないとどーのこーのとほざいていたが、俺と斎にとっては成績に関しての呼び出しはいつものことなので担任の話は耳の穴を抜けていくだけだった。


うちの学校は進学校で成績に相当うるさい。俺と斎がこんな学校によく受かったんだと驚愕するくらいのな。俺も斎も中学時代の成績は決して悪いとは言えないくらいだったのでこの学校に受かってもアリだとは思うが、こうも高校時代に成績を落としていたらそうも思えまい。
ちなみに今隣を歩いている聖史は全国模試トップの成績優良者で、先生たちの期待も大きい。まあ、こいつが医学部目指してるからってのもあるんだろうけど。


「あーあ、この時間じゃお弁当食べる時間ないわね…」


と、聖史は溜息をつく。そんな聖史を気にも止めず、斎は「あ」と立ち止まる。


「斎、どうした?」


と俺がきくと、


「なんか落ちてる」


そう言って斎はその何かを拾いあげる。聖史はその何かを一目見ると先程までの機嫌の悪さはどこに行ったのか目をキラキラさせて「可愛いー!!!!!」と黄色い声をあげている。


その何かとは…多分人形であると思うが、金髪で色白の二頭身の人形でまるで生きているかのようだ。大抵人形っていうものは少女の姿をしていると思うのだが、斎の手の平で横たわる人形は少年のようだ。







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