ここで話すのもあれなので…と、枚聞さんは近くの喫茶店を紹介してくれた。
枚聞さんの先導で、僕たちは窓際の席に座った。 僕はアイスティーを頼んで、枚聞さんはオレンジジュースを頼んだ。
枚聞さんは注文したオレンジジュースをストローで掻き混ぜながら、
「えと…何のご用ですか?」
枚聞さんは少し困惑した顔で
「…あの、もしかしてどこかでお会いしました?もしお会いしているなら…その…わたし、覚えてなくて申し訳ないなあと思いまして…」
あ、全然そんなことないですよ!!いきなり知らないやつに呼ばれたら誰だってびっくりしちゃいますよと僕は焦りながら言い、
「それに僕も枚聞さんと会うのは初めてだから…」
枚聞さんは目をぱちくりさせて、かつどこか少し安堵していたようで、
「それならよかった。わたしが覚えてないだけだったらほんとに申し訳なかったから」
と、ほんわかした微笑みをみせた。 か…可愛い!!杠葉ちゃんとはまた別の可愛さだ。そんなことを考えてる僕を枚聞さんに見えないように隠れていたキウイは憐れなものを見る目で凝視している。
「あのう…ちなみに枚聞さんは何年生なんですか?」
容姿からして学生であると見える。あー、もし違ったら申し訳ないな…。身長も低いし、清楚だけどどこか幼さがある。
「あ、わたしは中学二年生ですよ」
枚聞さんはにっこりと微笑む。ああああ、やっぱり可愛いー!!!キウイの視線がどんどん痛くなっていることには気付かないことにしておこう。 てか、枚聞さんも中ニだったのか…!!僕も中ニですと言うと枚聞さんはじゃあ同い年ですねと笑顔を綻ばせる。
「僕は学区の唐川(からかわ)中学校に通ってるんです。枚聞さんは?」
「わたしは城ケ崎(じょうがさき)中に通ってます」
なっ…なんと、あの名門お嬢様学校に通っているのか!!清楚なかんじはそこからきていたのかな。
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