「おい、お前何ついてきてんだ」
「ボクはお前のご主人でし。ついていかなくてどうする」
「どうするって…」
そういう問題じゃないんですけど…。 今日は平日=学校の日だ。学校にキウイを連れて来るわけにはいかないからと(ていうか、学校じゃなくても全てに関して連れていきたくない)、ねーちゃんもいるし家にいろと言ったんだけどこいつ(キウイ)はついてきやがった。
「しふき、学校とはなんでしか?」
あー、もう。こんな二頭身のを連れてたらまわりに何て言われるか…。てか、二頭身が動いてしゃべるっていう時点で大騒動になるだろうよ。
「しーふーきー!!きいてるでしか!?」
「ああ、もう!!うるさいな!学校って言ったら学校だよ!」
それより、この性悪キウイを早く国に帰さないと。こいつのせいでどんだけ被害を被ってることか。毎日嫌いなキウイ食べさせられて(しかも皮ごと)…やってらんねえよ!僕の平穏な日々を返せ!!
「枝幸くん!おはよー!」
「あ、ゆず…来宮(きのみや)さん!!おはよう!」
おおっと危ない…杠葉(ゆずりは)ちゃんと呼ぶところだった。 ああああ、杠葉ちゃん可愛いー!!クラスで一番の可愛子ちゃんなんだよな。
「…リア充爆発しろでし」
「ぎゃあああああ!!!!!」
「どうしたの?」
「いやなんでも!!何でもないよ!!」
こんの性悪キウイめ!!見られたらどうする気だよ!!
「それならいいけど…。あ、じゃあ、あたし行くね!ちょっと職員室に用事があるの」
「うん!じゃあまたね」
「安心しろでし。今ボクはボクたち果物の精の存在を知ってるやつにしか見えないようにする魔法を使ってるでしよ」
それを早く言えよ。 一人でパニクって馬鹿みたいじゃないか! ていうか、キウイって魔法使えたんだ。
「当たり前でし!じゃないとどうやってお前の願いを叶えるでしか!」
心を読むなよ。へえ、魔法で願いを叶えるのか…。
「で、あの女は何者でし?」
「ああ、<来宮杠葉>ちゃんって子。僕のクラスメートだよ」
「ほう?…お前はあの女のことが好きなのか?」
………………………………は?
「だーかーらー、あの女のことが好きなのか?ってきいてるでし!」
「ぼぼぼ僕がゆずr…来宮さんのことを恋愛対象としてみてるって、そんなそんなそんなわけないだろー!!!!!!!」
「ボクが願いで叶えてやろうか?ww」
「えっ!!!?」
願いって…そういうのにも使えるの!?
「ぷくすぅ、冗談でし。ボクは色恋の願いは死んでも叶える気ないでし」
……………おい!!!! やっぱりこいつ、性悪だ!!
「色恋なんてクソくらえでし。というかそもそも他人が関係してる願いなんて叶えれないしな」
「そうなの?」
「おうよ。色恋もそうだし、病気を治すっていうのも、不老不死も、誰かを殺すことも…」
病気と不老不死は他人関係してないじゃん。
「他人が関係してるものと生死に関するものは禁止されてるでしよ」
ふうん…願いっていっても何でも叶えてもらえるわけじゃないんだな。
「じゃあ、魔法が使えるようにしてとかは?」
「それも禁止でし。とにかく些細な願いじゃないと叶えられないでし」
厳しいんだなあ…ていうか、それじゃ叶えてもらう意味あるのか?
「さあな、育ててくれたお礼だからな…こっちとしては誠心誠意叶えてやりたいものでし」
性悪キウイでも僕のこと考えてくれてるんだな、意外だけど。
「何一人で納得してるでしか!お前のことなんか下僕としてしかみてないでし!ていうか、お前勘違いしすぎだろ。どんだけ自意識過剰なんでしか」
やっぱ性格悪いや、こいつ。
「あ、芙希じゃん。はよー」
「鶫(つぐみ)!おはよー!」
こいつは<椋比野(むくひの)・鶫>。僕の親友です。
「あ、そういえば面白いもの見つけたんだぜ?育つのが目茶苦茶早い種!!」
……………は!?
「まままま待って!は?ええ!?今なんて!?」
「…?だからー、育つのが早い種だって。5日前から育て始めたんだけど今日の朝にはもう花が咲いてたんだよ」
それって…!!? ちらっとキウイのほうを見ると、「多分あってるでし」と頷いている。
「鶫!!!今日お前んちに行ってもいいか!?」
「あ、ああ…芙希、そんなに見たいのか?」
「うん!!超見たい!!」
こうして僕は鶫の家に行くことになった。…というか展開早くね?もう第2の果物の精がでてくるのか。
「…ふと思ったでしが、お前来宮杠葉よりも椋比野鶫とくっつけばいいじゃないでしk「だまれ!!」」
貴様は作者に影響されすぎだ!
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